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【ライブレポート】9mm Parabellum Bullet - 19th Anniversary Tour/福岡DRUM LOGOS

今年は9mmにとってバンド結成19年目の"周年イヤー"を迎えた。
何故19年が周年なのかはお察し下さい。
その第一弾として、2023年2月9日に福岡DRUM LOGOSにてワンマンライブが開催された。

昨年、ニューアルバム『TIGHTROPE』を引っ提げてのツアーが行われたが、9月19日のZepp Fukuoka公演は台風の為中止となった。
今回はそのリベンジ公演としての開催となった。

DRUM LOGOSは私にとって、邦楽ロックを、9mmを好きになって初めて参戦した会場だったのを覚えている。
それから色々な地に遠征して、色んなライブハウスに足を運んだものの、
やっぱりロゴスが一番好きだってずっと思ってて(会社の3分間スピーチで力説したことがある程度に)
だからこそ、周年イヤーの1本目がロゴスに選ばれて本当に嬉しかった。

それだけで嬉しかったんはずだったけど…整番が10番台で…はい…最前でした…。
情緒乱れすぎて記憶力も無ければそもそも語彙力も無いので、楽しかった事だけ伝われば幸いです・・・。

 

先に述べたように、今回は"TIGHTROPEツアーのリベンジ公演"と言われてた為、
当然の様に1曲目は『Hourglass』だと思っていたが…、
SEはHourglass仕様ではなく、いつものAtari Teenage Riot『Digital Hardcore』が流れてきて、まずそこで驚いた。

メンバー登場して開演。
ライブアレンジのイントロに対でもはや体が勝手に反応して手拍子をしてしまう曲、『Discommucation』。
これまで沢山この会場で聴いてきた曲で、思わず「戻ってきた!」とテンション爆上がり。
ど定番ながらも、私にとっては9mmの10選に余裕で入るぐらい好きな曲だからこそ、やっぱり嬉しい。
ライブ版の間奏のアレンジは何度聴いてもかっこいい、好き。
ちなみに去年、北九州市で開催された夏フェス「宗像フェス」でも1曲目だったので、
Discommucation始まりは九州公演の定番にして下さい(?)。

そのまま『名もなきヒーロー』→『Black Market Blues』と、
もはやフェス定番セトリになっていた。
名もなきヒーローはロゴスでは初だったので、新鮮な気持ちになった。
そういえば今回、上手と下手(よりも卓郎さんに近い位置)の前方に"お立ち台"がセットされていた。
滝さんはお立ち台に乗って演奏するイメージが湧くものの、和彦さんどうするんだ…?って思っていたら、
Black Market Bluesの間奏で片足だけ乗せてベース弾いてました。
あ、なんか、和彦さんっぽいなぁ・・・はい、かっこいいですってなりました(定期)。

 

MCにて卓郎さんが、
今回はリベンジ公演だからTIGHTROPEのアルバム曲順通りにやります!と言ったところで、客席から大歓声が起こる。
だけどその前に、"ツアーで良かった流れをやりたい"とも話した。
ここでツアー醍醐味だった激(アツ)繋ぎ、『Psychopolis』→『悪いクスリ』の奇跡の再現となった。
この繋ぎ、ツアー5公演中3公演で披露されていて、
残り2公演(名古屋・札幌)は悪いクスリではなくThe Revenge of Surf Queenだった。
個人的にはSurf聴きたすぎたので、
あのMCからPsychopolis来た瞬間、
「あっ…Surfきませんよね!そうですよね!」
と少し落ち込みましたが(笑) 、
悪いクスリの流れ、即ちPsychopolisのラストが悪いクスリの出だしのベースソロにチェンジしてそのまま続けて始まるアレ…そりゃあね、カッコいいんだもん…仕方ない。

 

そこから予告通り『TIGHTROPE』のアルバム曲順での披露。

冒頭の3曲とは対照的に、重く激しい『Hourglass』。
やっぱりアルバム一曲目としての存在感ありまくり。

今回コロナ禍では初めて、9mmのワンマン公演で声出し許可がされた日だった。
『One More Time』では、
サビの"One more, one more time もう一回"のフレーズをオーディエンスが合唱する流れになった。
それを想定して作った(?)曲なのは少し意外だったけど、楽しかった。またやりたい!

曲の終わりに、和彦さんが唐突にお立ち台にやってきて、片足ドン!!!(音聴こえた)と凄い勢いで乗せて、客席にファンサ(手上げてただけ)し出したのが個人的MVPです。
エアジョーダンに勢いよく踏みつけられたお立ち台…買い取りたいとか言ってません、ハイ。

『All We Need Is Summer Day』については、年末のthe telephonesのイベントにて声出し解禁はあったものの、ワンマンでは初となった。
初めて披露された去年のROCK IN JAPAN FESTIVAL、そしてTIGHTROPEツアーの始まりはまだ暑い時期だった。
この曲を聴くと、2022年の楽しかったライブのキラキラした思い出が蘇ってきて、少し切なくなってしまう。
お〜に〜ぎ〜り〜さま〜です〜!なんて叫びながらセンチメンタルに陥ってるいい大人は私だけじゃないと思う。

だからって戻る気はないよ
君に出会えたから

のフレーズと、卓郎さんの笑顔と、自分の気持ちがシンクロして泣きそうになった。
楽しかった思い出も勿論大事だけど…始まったばかりの19周年イヤー、
これからの色々な現場で、どんな公演、どんなドラマが待ち受けているのか、ワクワクした瞬間だった。
明るいけどちょっぴり切なさもあるこの曲。
初めて聴いた時から好きだったけど、色々なライブを経てますます好きになりました。

 

どうしてもロゴスにいるとこれまでのライブや人生の事を思い出してしまう。
『白夜の日々』の冒頭、

君に会えなくなって 100年ぐらい経つけど

本当だよ。2020年、コロナでライブ行けなかったあのたった数ヶ月は、私達にとってもはや百年だった。
もう一生戻ってこれないかもしれないと思ってた。
でも、こうしてまたライブに足を運べて、一度は中止になった福岡リベンジ公演が無事に開催されて安心した。
卓郎さんの「君に会いにきたぞ!!」がこの会場で聴けて本当に嬉しかった。

 

『淡雪』の卓郎さんの淡い歌声に胸を突き刺されながらの、TIGHTROPE折り返し。
メンバーがかみじょうさんに向かい合い、『Tear』の突き刺さるような音を出すあの瞬間、
そこからの表題曲『タイトロープ』の降臨…がとにかく痺れる。
タイトロープ、今のところツアー以外で披露されたことは無いと記憶してる。
今後やる時は…毎回Tearとセットにしてほしいぐらいです。

インスト曲『Spirit Explosion』は個人的にかみじょうさんのドラム演奏がアツすぎる曲。
個人的な話ですが、今回、かみじょうさんへの視界が過去最高に良かった為、ますますドラムの音中心に盛り上がってました。
それにしても、各曲での彼のスティック回しは芸術すぎませんか…。
あれでしっかり演奏が成り立ってるのやばい、どうなってるんだ。

 

『泡沫』は初めて聴いた時からアウトロー大好き芸人と化してますが(?)、
あの歌謡な雰囲気で、ベースがあんなに激しかったんだ…という、楽器無知野郎ながらの新たな気付きをこの日得た。激しかった(大事な事だから2回以下略)
上手く言えないけど、エモすぎて今回も無事にどこまでも沈められそうになりました。

終わった後にもはや何もできなくなるレベルのお通夜感(褒めてます)がある、アルバム最後を飾る曲『煙の街』。
TIGHTROPEツアーでは本編ラスト曲だった為にアンコール挟んで切り替えられたものの、
今回に関しては直後に何事もなかった様に(?)MCが始まったので、気持ちを切り替えるのが大変でした…(笑)。

 

今回は昨年のツアー中止のリベンジとして開催されたが、
2019年の「FEEL THE DEEP BLUE Tour 」の福岡公演にて、卓郎さんの喉が不調だった事もあり、
卓郎さん曰く、今日は"リベンジオンリベンジ"になったと話していた。
その卓郎さんの表情が少し切なげだった様に思えた。
きっと色んな想いがあって、FEEL THE DEEP BLUEツアーの映像作品がいまだにリリースされないのかな…と勝手に勘繰ってまう。リリースしてほしいです…。
あの公演が自分にとって、9mm史上"1番忘れられないライブ"になった事は、去年の9/9レポでも話しましたが…、

※参考↓

ta7cr5prm.com


少し複雑な気持ちになったものの、卓郎さんがその話をしてくれたのは何故か嬉しかった。

ここで、当時卓郎さんの不調が決定的に出た曲、夏が続くからが来るのでは…?と思ったけど、そもそも持っているギターが違った。
いや・・・ここで披露されたら間違いなく涙腺ぶっ壊れるからな・・・ある意味助かったかも。
だけどまたいつか福岡の会場で、夏が続くからを聴けるその時を夢に見ています。

 

その代わり(?)披露されたのは『ハートに火をつけて』。
TIGHTROPEツアーのアルバム曲以外のセトリは、各時代の定番曲が多めだったように思える。
その為、この曲はやったと勝手に思ってたけど、
実は2022年3月17日以来1度も披露されていなかった。(※アラバキの鰰ステージは除く)
宗像フェス以降、全てのワンマン・対バン・フェス参戦してる私でさえ、
イントロがきた瞬間、「え?!久々!」とざわついてしまった。
Aメロでは滝さんがモンキーダンスしてた。可愛かったです、まる。
この曲に限らずだけど、楽しそうに踊ったり暴れてた滝さんの姿を見て心から安心した。

本編後半戦は定番曲ぶっ飛ばしターンになった。
『Cold Edge』の三三七拍子、久々すぎる声出しは激アツだった。
『新しい光』は、去年末のイベントから徐々に合唱が叶ったものの、ワンマンでは初となった。
会場全体に響いた歌声…その光景を見た卓郎さん、気のせいか目がウルウルしてたように見えて、こっちまでウルウル来てしまった。

そんな新しい光に連れてこられた後の『The Revolutionary』。
"長い夜が明けた"のフレーズ、
コロナ禍を耐えてきたミュージシャン・音楽関係者・我々ファンの気持ちを代弁しているかの様にに感じ、胸が熱くなる。

本編ラスト曲はガッツリ王道の『(teenage)Disaster』。
短いけど演奏の熱量がバッキバキに伝わってくる。
直近もフェスや対バンで聴いてきたけど、何故かこの日に改めて、
"9mm見てると楽器って、バンドってかっこいいなぁ。"
とため息が出るほど感動してしまった。
勿論ずっと思っていた事だけど。
きっと私にとっての原点の会場だったからかもしれない。
9mmに出会ってからの十数年間を思い出して噛み締めながら、本編が終了した。

 

本編からずっと気になっていた事がある。
卓郎さんの後ろの機材に乗っているマラカスの存在。
声出し解禁のこの日に、もしかしたらあの曲が聴けるかもしれない。
いや・・・マラカス置いていたのにやらなかった、TIGHTROPEツアー初日大阪公演というものがあってだな・・・。

と、友達と色々考察しながら、やがてメンバーが登場した。
始まったその一音で瞬時に何の曲かわかる程度には、
私たちはこの曲にずっとお世話になっていた。
思わず「やばい!やばい!!」って叫んでしまった。

アンコール1曲目、『Talking Machine』。

コロナ禍以降で私がこの曲を最初に聴いたのは、2021年の『鰰-東京編-』の9mmステージだった。
声出しできない現実を突きつけられ、切なさとで感情がぐちゃぐちゃで、
泣きながら飛んでたあの日がフラッシュバックした。
あれから約2年。ついにこの日が来た。
ライブバージョンのイントロと共に、卓郎さんがマラカスを振る、上空にに投げる、

ワン・ツー・スリー・フォー!

この瞬間を待ち侘びていたファンの全身全霊の叫びが会場全体に渡る。

去年、福岡が中止になった日、
台風怖くて眠れないの辛い為に泥酔して寝ようと酒飲みまくって
9mmの色々なライブ映像を見ては途中で涙が止まらなくなって、
結局泣きながら泥酔して寝落ちして。
本当に悲しく悔しくて仕方なかった。

だけどあの時中止になってなかったら、"Talking Machine声出し復活"が、
私の世界で1番大好きな、このライブハウスで迎えられることはきっと無かっただろう。

やっと報われた気がした。
私にとってもリベンジオンリベンジオンリベンジオンリベンジですよ。なげえよ。
改めて、この日福岡を選んで来てくれた9mmに感謝しかありません。

会場全体が最高に盛り上がってところで『Punishment』のイントロが流れる。
やっぱり最後はこの曲。
今回もキレッキレのギター演奏をかましてるなぁ、と思ったら、
最後、滝さんがステージに居ないことに気づ来ました。ごめんなさい完全に見逃してた。
「あれ?」な笑みを浮かべながら上手を見ていた和彦さんと同じリアクションをしてしまった。
あの時何があったのかは、後日、バンド公式Twitterで知りました。

地方公演あるあるの自由さと面白さ。
繰り返すけど、最近は滝さんがこれまで以上に楽しそうで嬉しい。

 

そんなこんなで最高のオチをかましてくれた(?)、9mmの福岡公演が終了。

周年イヤー1発目にして、ようやくコールアンドレスポンスが叶ったり、
アルバム曲をガッツリやりつつ、ツアーとは別の展開を見せてくれたり、
そんなたくさんの奇跡を、一番好きなライブハウスで実現してくれた。

9mmに初めて出会った大学時代(もう10数年以上前)。
それまではJ-POPやアニソンばかりで、引きこもりまっしぐらで、
ゴリゴリのロックバンドのライブに行くのが怖かった。
それでも見たくて、勇気を持って足を踏み入れたのがこの会場。
残念ながら初ライブこれだった!の明確な記憶はないけどステージに立つ卓郎さん、滝さん、和彦さん、かみじょうさんの4人の姿に心から熱くなり、
それから9mmは勿論色々なバンドに出会って、バンドファンの友達もできて…
今は人生が心から楽しい。
そのきっかけは9mmであり、福岡DRUM LOGOSだった。
本当に本当に、最高のステージありがとうございました!!!
大好きなバンドの周年の始まりをこの会場で迎えられて、私はどんだけ幸せ者なんだって、この人を境に思わされた気がします。

とはいえ、まだ始まったばかりのアニバーサリーイヤー。
これから色々な会場で起こる景色を目撃するのが楽しみで仕方がないです。

改めて、福岡に来てくれてありがとうございました!!