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【ライブレポート】9mm Parabellum Bullet - 19th Anniversary Tour/辰野町民会館

9mm Parabellum Bulletの19周年イヤーの企画の1つとして、
"メンバー出身地の凱旋ライブ"
が発表されていた。
その第一弾は2023年3月9日、
かみじょうちひろさん(Dr.) の出身地、長野県上伊那郡辰野町のホール会場にて行われた。

コロナ禍以降、この会場(辰野町町民会館)で音楽イベントが行われたのはのど自慢以来だったらしい。何だその温度差。

そんな特別な会場でのライブとなった。

 

凱旋ライブはそのメンバーが考案したセットリストで行われる事が事前に発表されていた。
要するに今回は、かみじょうさんが決めた選曲で行われる。
トップバッターながらどうなるか想像つかなかった。妄想だけは沢山した。

ドキドキしながら迎えた開演。
SEはいつも通り『Digital Hardcore』。
後に卓郎さん(Vo.)のMCで判明したが、
かみじょうさんはこの日、SEをT-SQUAREの『TRUTH』にしようとしたとの事。
(F1で有名なあの曲です。30代以上は聴けば一瞬で分かります。)

 

1曲目はアルバム『Dawning』でもトップを飾る『The Lightning』。
勢いの良いイントロと意外な選曲に早くも会場が騒ついていた。

ライブとしても盛り上がる曲だが、歌詞のメッセージがとにかく良くて、

明日を向いて歩こうか
あきらめるのは飽きたのさ

19周年イヤーに希望を持たせられるスタートになった。

長年定番曲になっていた大人気曲『Vampiregirl』。
とはいえ去年アルカラとの対バンで披露されはいたが、ワンマンでは最近聴いてない気がする。待ってました!感が半端ない。
去年発売されたアルバムのサマーチューン『All We Need Is Summer Day』では、マスクをしながらも合唱が叶う。
そこから勢いを崩さず、かみじょうさんの勢い良いドラムからの疾走感溢れるイントロが印象的な『Living Dying Message』の披露。
色んな場所で言ってきたが、私の不動の1位はLiving Dying Messageで。
まさか、かみじょうさんの地でこのタイミングで来るとは思わず、序盤から気が動転してしまった。
かみじょうさんの評価が999%上がった。
(もちろん元々大好きですよ!)

 

初めてこの場所(辰野町)に来た時、かみじょうさんのご実家にメンバーでお世話になって、沢山おもてなしをしてもらった…と、
MCで卓郎さんが思い出話をしていたのが何だかほっこりした。
これぞご当地ライブの醍醐味。

 

2017年発売のアルバム『BABEL』の名曲、『ガラスの街のアリス』でガッツリ客席を盛り上げた後は、
インディーズ時代の曲『interceptor』、生命のワルツのc/wで独特なイントロでオーディエンスを戸惑わせる『オマツリサワギニ』の展開が熱すぎた。
新旧コア曲ごちゃ混ぜなカオスのターンだった。
9mmの深い部分を堪能させられた後は、数年前に公式が実施した"ライブで聴きたい曲"で圧倒的1位を飾った『光の雨が降る夜に』。
イントロきた瞬間、周りの飛び上がったり歓声あげたりした姿を見て、
やっぱりみんなこの曲を待ち望んでるんだなぁ…って思った。(私も同じ反応した)。
アウトローではステージ中央前方で卓郎さん・滝さん(Gt.)、
かみじょうさんのドラムセット前では和彦さん・為川さん(サポートGt.)がそれぞれパフォーマンスを繰り広げる。胸も目頭も熱くなった。

 

この日の辰野町は比較的温かい方だったらしいが、以前同じ時期に来た時は極寒だったらしい。
冬から春に変わる…そんな季節にぴったりな、昨年のアルバム曲『淡雪』が披露された後は、真冬の名曲『銀世界』『ホワイトアウト』と続く。
後に極寒3作部と名付けられていました。
銀世界って落ち着いた曲だと思ってたけけど、こんなに激しく演奏する曲だったんだなぁ…というのが今回新たな発見だった。
これだからバンドって面白いなぁと思わされた。

 

冬が終わると、爽やかで温かいメッセージソング『Starlight』が披露された。
個人的に今回聴きたい曲TOP3に入ってた曲で、イントロ聴いて悲鳴あげてしまった。両隣の方々ごめんなさい。
生きるとは戦う事だと思ってる。毎日何かしら戦っては疲れて、時には逃げて。
例えばその逃げ場がライブハウスで、コンサートホールで。

思い込ませるよ すべては上手くいくと
身をまかせたい 何が待っていても

"また明日から頑張ろう"って背中を押される。
私にとっては音楽が、ライブがそういう存在だった。
それを改めて感じさせられて、泣きそうになった。だけど不思議と心が温かくなった。
アウトローのギターがまた美しくて…、
辰野町に沢山の希望の星が降り注いだ瞬間だった

 

心地良いテンポのドラムから始まる『Butterfly Effect』。
以前Youtube配信にて、凱旋ライブセトリはどうなるのか…と話題に上がった際、かみじょうさん自らやりたいと話していた曲だった。
待ってました〜!と言わんばかりの客先のざわつきが面白かった。
今回はホールライブなので、照明も凝っていた。
この曲の照明、どこか妖艶で特に曲の雰囲気にピッタリだったように思える。
卓郎さんのボーカルが味がありすぎて、まるでバーにいるみたいだった。
はよ酒飲みたいってなった。

Butterfly Effectのエモすぎるアウトローに酔いしれていたところで、下手側からアップライトベースが運ばれてくる。
今日やるの!!!???
これは明らかに和彦さんの見せ場な曲じゃん…それなのにかみじょうさんが選曲するなんて…かみじょうさん優しすぎか。
と色々考えてたところで、和彦さんがアップライトベースを演奏する曲、『キャンドルの灯を』の披露。
2022年3月のEXシアターでも思ったけど、この曲はホールが合う。
アップライト演奏してる和彦さんがますます絵になる。
その流れでの『カモメ』も相乗効果で美しく感じた。
キャンドルの灯を→カモメといえば、昨年の"Walk a Tightrope Tour"でも同じ流れがあった。
かみじょうさん、ここの流れ好きだったのかな…と勝手に想像する。

 

本編も佳境へ。
落ち着いた雰囲気から一転して披露されたのは、ゴリゴリのアップテンポ『太陽が欲しいだけ』。
会場全体で両手を広げる場面は何度体感しても胸熱。

その勢いのまま、かみじょうさん作詞・作曲『Mad Pierrot』が来たときは思わず心の中でガッツポーズしてた。待ってました!
選曲だけでも嬉しかったのに、この日のこのステージはまさに伝説となったのは過言でもない。

まるでピエロが乗り移ったかのようにステージで暴れ倒す滝善充(39)。
滝劇場が始まりました。

シナリオ無視(かどうかはわからん)のショーとはまさにこういう事だよ・・・、
私たちは何を見せられてるんだ(最高)、
泥酔した人ばりにステージで荒ぶってましたよね(最高)。

かつてないショータイムが辰野町で待っていました(結論)。

そんな滝さんのテンションに影響されてか、ラストサビのボーカルがキレッキレだった卓郎さん、
いつもよりも前方に出て演奏していた和彦さん。
そんな光景を後ろから見守るかみじょうさん(今回の主役) 、天使ですか…?

破茶滅茶(褒めてる)なお祭りの後に披露されたのは、
この季節にぴったりな卒業ソング『君は桜』。
9mmらしいゴリゴリなギターフレーズに乗せた、どこか切なさもあるアップテンポ。
『DEEP BLUE』は"大人が刺さる青春アルバム"だと勝手に思ってて、
その世界観を一番まっすぐに表してるのはこの曲だと勝手に思ってて。
色々な経験をしたからこそわかるものがあるし、失うものも増えるけど、
その分、大事なものを心から大事だと思えるようにもなる。

夏をいくつ越えるのだろう
冬をいくつ越えるのだろう
いつかまた会える日まで
さようなら ありがとう

初めて9mmに出会った10数年前のこと、
それから色々なライブに足を運んだ自分の歴史を思い出した。
両手に抱えきれないほどの想い出が出来た。
出会ってくれてありがとう。思わず目から涙がこぼれ落ちた。

今日は旅に出る日だよ
卒業おめでとう

このフレーズを歌う卓郎さんの真剣で、だけど優しい表情が印象的だった。
19周年イヤーをスタートさせた9mmの決意の歌なのでは…と勝手に勘繰ってしまう。
今年は勿論だけど…一生9mmについて行くよ。絶対に。

ラストスパート。いつの間にマラカス置いてあったんだ!?全く気づきませんでした。
ここで『Talking Machine』のイントロ。
いつものように卓郎さんがマラカスを…あれ?
ドラムセットの前に置いてあった、辰野町のゆるキャラ"ぴっかりちゃん"にマラカスを持たせて、卓郎さんとぴっかりちゃんが一緒にマラカスを振る。
尊すぎんか〜〜〜!!!(情緒滅亡)

いつものようにジャンプをして、ワンツースリーフォー!の準備は出来てるぞ…!と構える客席をガン無視して、唐突に、
T-SQUAREの『TRUTH』をカバーしだす。

前半のMCの伏線回収してんですけど!
MCの時メンバーが少しだけ弾いてたので、これはこのままやって欲しいなぁって思ってたんだよ…。
スポーツは全然知らないけどこの曲好きなんです。
昔ニコニコ動画演奏してみたヲタクやってたことがあって…その影響で…

↓非公式であれですが、100回以上は聴いてるぐらい好き。今でもよく聴く。

www.youtube.com

だからこそ、9mmがTRUTHカバーしてくれるなんて思ってもなくて、嬉しくて震えた。
別バンドの曲で申し訳ないのはわかってるけど、ガンガン手を振り上げて盛り上がっちゃいました…周りで間違いなく1番ぶち上がってました、、、
その演奏してみたバンドのライブに行っててこの曲のコピーも聴いてるんで、その時のライブの盛り上がり方してしまった感ある。

客席をざわつかせたところでTalking Machineに戻る。
前回のワンマン、福岡DRUM LOGOSに引き続き、
"ワンツースリーフォー"
の声出しができたのはやっぱり嬉しかった!

本編最後は安定の『Punishment』。
後半で和彦さんが機材を飛び越えて、ド下手でベース弾いてたの印象的でした。ド下手民羨ましい。

 

アンコール1曲目は『Discommunication』。
あのライブイントロを聴くだけでテンション上がるし、自然に手拍子しちゃうし、
何度も言うけど毎回ライブで聴きたい。かみじょうさん、ここであえての定番曲ぶっ込んでくれて嬉しい。
そして最後は『The World』。
そういえば9mmのメジャーデビューってどっちなんだろう…ってなってて(公式的にはDiscommunicationっぽいことを言ってた)、その始まりの始まりの2曲の組み合わせ、すごくいいなぁってなった。

最後にかみじょうさんがマイク越しで"愛してる"と言って、終演。
9mmで投げキッスしたり愛してる言ったりしちゃうのってかみじょうさんぐらいなので、ほっこりしちゃった。ごめん実は爆笑したけど。

 

凱旋ライブ初日ということで、どんなステージやセットリストになるのかなぁとワクワクしていたが、
想像の99倍ぐらいスペシャルな公演でした!楽しすぎた。
他の3人のライブもどうにかして行かなければ。
(滝さん、和彦さんはほぼいける見込みありますが、問題はフロントマンさんのお誕生日です…どうにかして行きます。)

 

途中、MCで卓郎さんが、
「本当は今日来ていいのかなって悩んだ。」
と口にしてた。
コロナ禍になって遠征し辛くなったのは私たちファンだけではない、演者側もそうだ。
きっと計り知れないほどの葛藤があったんだろうなと胸が苦しくなった。

だけど終盤、
「今日(の自分達のライブ)をきっかけに
色々なアーティストがこの会場でライブをやってほしい。」
と笑顔で話していた。

あの笑顔と言葉が印象的で、きっとこの先も忘れることはないだろう。