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【ライブレポート】back number - one room party vol.7/Zepp Fukuoka

※ツアー中につき、ネタバレにご注意下さい。※
今回は公演の趣旨もあるので閲覧は自己責任でお願いします!

 

アリーナツアー等では披露されない様なコア曲がセトリに組み込まれたり、
もはやバラエティ番組の様な催し物が繰り広げられたり、
普段じゃ味わえない最高の祭典、back numberのFC限定ツアー「one room party」の季節が今年もやってきました。

今回は2020年開催のvol.5(8割以上がコロナで中止) 以来の、ファン参加型のゲーム・合唱企画が実施されることになった。この復活は本当に嬉しい!申し込んだことないけど!

back numberの楽曲が大好きであれば絶対に行きたいイベント且つ、会場のキャパが従来の公演に比べて格段に小さい為、
毎回チケット争奪戦になってしまうが、ひとまず今回も無事に、
2024年2月3日の福岡公演(2日目)のチケット確保して行ってきました!
整理番号1200番台だったけどな!めっちゃ後ろだったけどもう会場に入れただけで嬉しい!

 

冒頭でもお話しした通り、ここから曲ネタバレします。
全曲します。

まだツアー2公演目なので、これから参戦する人は出来ればここで閉じて下さい!
(参戦した後に再び来ていただいて読んでもらえたら泣いて喜びます。)

 

 

+++++

 

 

My Hair is Bad、クリープハイプ、吉澤嘉代子…等、どことなくback numberらしさのある会場BGM。過去にカバーしたストレイテナーの『シーグラス』も流れる。
マカロニえんぴつの『ブルーベリー・ナイツ』の途中でBGMが大きくなり、そのまま暗転して開演。
普段のアリーナツアーではSEと共にスクリーンに映像が流れる豪華仕様だが、
今回はそれらはなく、BGMも止まり無音になり、客席の拍手のもとメンバーが登場。それすら新鮮だなぁと思う。


1.黒い猫の歌

2016年の配信限定シングル。あまりライブで披露されないイメージがある。
この曲始まりはかなり意外だったが、ポップで明るいながら、どこか哀愁のある曲でのスタートは不思議としっくりきた。
"迷ってもがいてそれでも自分らしく生きたい。"を思わせるメッセージがぶっ支える。
ある意味今の私が一番聴きたかった曲かも。まさかのまさか冒頭から泣いてしまった。

 

2.添い寝チャンスは突然に

そうきたか!びっくりした!
直近のアルバムの中でめちゃくちゃ短い曲をこの位置に組み込んでくるの、
このツアーの"オープニング間"あって良いな。楽しくなっちゃった。

 

3.アップルパイ

一時期は結構多く披露されてたイメージがある。依与吏さんこの曲のこと絶対好きだと思う(笑)。
back numberの恋愛の曲って、ただ"付き合ってる"、"別れた後"、"片想い" …等、ただの大枠の事だけではなく、その中のもっともっと細かな状況の場面を描くのが上手いなぁと思う。
付き合ってても幸せだけではない、色々あるからね。だから刺さるんだよなぁ。今回聴いて改めて考えさせられた。

 

4.ヒロイン

この季節ぴったりだし、ファンみんな好きでしょこの曲。
ラストサビ前の「やっぱり僕は」の依与吏さんの力強い歌声が胸にズシンときた。
この曲に限った話ではないが、年々綺麗に無難になっていくボーカリストも多い中、back numberはライブを重ねる度に感情表現の解像度が上がって行ってると思う。
そういうところなんだよね、いつまでもこのバンドのライブに足を運びたいって思う理由。
そういえば自分の近くにいた女性が泣いてて。
わー!恋してんだなーー!って勝手に嬉しくなった、そんなただのおばちゃんやってました。

 

5.おまえさん

イントロで「ふえっ?!」みたいな変な声出た。周りのリアクションはそこまでなかったので自分の声だけ響いてすまない。
恐らく今回で一番昔の曲。インディーズ時代のガチ名曲。
私が聴いたのはparty vol.3以来だった。そもそもそれ以来の披露と思われる。
先ほども言ったように、年々楽曲を表現する上での解像度が上がってて、
あの時より確かに華やかな演奏をするようになったものの、めちゃくちゃ暗いなって思った。それが最高。
明るい照明すらむしろ”暗さ”を演出してる様な絶妙なボーカルや演奏が痺れた。

 

6.半透明人間

一時期はずっと定番曲として披露されてきたこの曲が、party枠になってる頃を寂しく思っちゃうのは私だけではないと思いたい。
この日の公演全体的に感じた事だが、依与吏さんの喜怒哀楽の"怒"の感情表現が爆発してた。
ラストサビ前の「忘れられるはずがない」のフレーズの悲痛さがやばかった。あれはマジでキレてた。
今まで何度聴いたかわからないこの曲、今回が今までで一番激しかったし一番好きになった。
ラストの叫びもめちゃくちゃキレてた。最高。
絶対無いのは分かってるけどこの福岡公演を是非円盤化してほしい。

 

ここでのMCが印象的だった。
(ニュアンスです。)

"もう既に良いライブになっている。曲の主人公が立ってる。
みんなかなり昔とか最近とか色々な時代から好きになってくれているけど。
春と冬からの人いる?・・・っていないか(笑)、そう言う人は次回Vol.8から来るよな(笑) 。

色んな理由があって好きになってくれてここにいるんだろうけど、
自分がしんどくどうしようもない事を曲にしたものが、
どこに住んでて何をしている人かわからない人に刺さってくれて、それが嬉しい。"

back numberを好きな人は色々な出会いや理由があるのは前提として、
恋愛や人生おいて考えすぎちゃったり悩みすぎちゃったり辛い経験したり、そういう人は一定数いると思う。まぁ私のことなんですけど。
20代の頃、辛くて孤独でどうしようもなくなった時、一番そばにいてくれた音楽がback numberで。
何も解決はしないんだけど、不思議と気持ちが楽になった事もあった。
色んな曲を聴くとそれ想い出しちゃって。依与吏さんの話を聴いてボロボロ涙が出てきた。

 

7.世田谷ラブストーリー

オリジナル弾き語りから始まる。
“気づかれたくないけど、気づかれなきゃいけない”…みたいなニュアンスのフレーズを歌ってた。
その片想いの複雑な感情…まさか『stay with me』 ?!と、このバンドの一番好きな曲が浮かんだけど。まぁそうですよね、違いますよね…。
ちなみにこの日は節分だったのだけど、
わたくし昔、節分の日に好きにな人に振られて、帰宅して泣きながら恵方巻きかぶりついてたことがあって。
その人と初めて2人でご飯に行って、その帰りの道中で一人でひたすら聴いてたのが世田谷ラブストーリーだった。
それを急激に思い出してめちゃくちゃしんどくなりました(笑)。
思い出してしんどくなるけどそれすら心地良くなる…までがback numberのライブです本当にありがとうございます。大好きな曲です。

 

8.女王の猿

後のMCで依与吏さんが「この曲忘れかけてた」って言ってたけど、私は忘れてない。
来ると思ったよ。やっと来たよ、テンション爆あがりだった。
2021年にFC限定で発売された曲。要するにファンしか知らない曲。
勿論ライブでもこれまで披露されてこなかったが、ここでやっとライブ解禁。
パンチが効いている曲ゆえにゴリッゴリな演出。ピンクと緑のネオンのような照明かっけぇ。
CDで聴くより華やかに聴こえたAメロのアレンジが好きすぎた。
キー低めの歌だからだろうか、依与吏さんのボーカルが他の曲と少し違ってるように感じて、それはそれで新鮮に思えた。
超ノリノリなアッキーさんが見えました。可愛い。

 

9.challenge room~one room partyスペシャル!~

やってきました、久々にバラエティ番組風イベント。
事前に募集した中で抽選で6名が選ばれ、ステージにあがり、
back numberのメンバーと共にゲームで戦うお祭りのようなイベント。
福岡2日目は主にこんな感じでした。

①福岡の特産品(お菓子)を箱に詰めてちょうど300gにする
和也さんチーム勝利(317〜8gとかだったと記憶)。
途中で和也さんや寿さん食べてて笑った。
和也さん「あの人万引きしてます!」って言われて、「払えばいいんだろ!」と演技してて笑った。「お父さんかお母さんの連絡先教えなさい」と返され子供って設定にされてて爆笑。

②ファンのメンバーへのイメージ調査
「メンバーで一番○○そうなのは?」のお題に対して客席の拍手の大きさで1位を決める。
ステージでは誰が一番になるのかあらかじめ予想。予想が一致したチームの勝利。
ごめんなさい、誰が勝利したか覚えてないです。

・一番体が柔らかそうなメンバー:和也さん
 →実際どうなるか後でやってみた。依与吏さんが圧倒的に固かった。

・一番寝相が悪そうなメンバー:依与吏さん
 →依与吏さんめちゃくちゃキレてて面白かった。
依与吏「俺死んだように寝てるよ」「(一番拍手少なかった和也さんに対して)あいつお腹出して寝てるから!」
和也さん「これイメージ調査だから本当のこと言わなくていいの!」

・今ツアーで一番荷物が多そうなメンバー:和也さん

③ロシアンクラッカー
黒ひげ危機一発みたいなゲーム。紐を引っ張ってクラッカーが鳴るかどうか。
3回目で依与吏さん、和也さんチームが引き当てる。
寿さん「打ち合わせしてない?」と拗ねる。

 

10.高嶺の花子さん(with one room)

これまた事前に募集した中た6名選ばれて、ステージでメンバーと一緒に歌う企画。
選ばれた方でめっちゃくちゃ声通る歌が上手な男性いた。あの人プロかな。
ステージだけでなく客席でも合唱になって、それが何だか青春ぽい光景だった。
幸せな空間だな…と思って途中から泣きながら歌ってた。
この企画も復活してくれてほんと嬉しい。

 

11.冬と春

(後のMCにて)依与吏さんは、"本当にこの曲でいいのか、他にあるんじゃないか"って悩んでたが、他2人が絶対この曲がいい!って言って決まったとの事。
怪獣のサイズもこの曲も 久々のノンタイアップで、
"自分達の原点に立ち帰り楽曲で勝負したいと思って作ったところ、どちらも良い曲になった"と話していた。
出だしのフレーズから辛すぎる。
恋愛ってなんでこんなにも上手くいかないんだって経験をしてきた、我々トラウマ族(?)への傷の上塗りをしてくる感じで(笑)。
でもそんなback numberだから好きで。どうしても心地がよかった。

 

12.ベルベットの詩

冒頭で依与吏さんが前に出てきて、「ララララ」の合唱を煽る。
ドームツアーで主役級の立ち位置だったこの曲が、ここでも再び大事な位置と演出でやってくれた。
ここ数年のシングルでダントツに好きで、この歌詞に何度救われたかわからない。
そんな曲をバンド側も大事にしてくれているのが本当に嬉しい。
大きなステージの壮大な演出は本当に映えたが、ライブハウスという小さな空間でのこの曲も最高じゃん。1人の人間がもがいて苦しんで、やがて答えを見つける、ロックバンドの根本みたいなものがまっすぐ伝わった。

音がさ外れても
例え口塞がれても
僕は僕だと
自分の声で歌おう

代わりはいないと
自分の声で歌おう

この曲は”清水依与吏”そのものだと勝手に思ってて。
そういう曲が、不思議と我々聴き手の背中を押してくれる。
ラストこのボーカルを聴いて改めて強く感じた。

 

13.怪獣のサイズ

本編ラスト曲は、2023年に発売された配信シングル。
当時フェスで披露されたことはあったが、ワンマンでは初(そもそもワンマンなかった) 。
先日書いた、"2023年MYベストソング"でも上位に選ぶぐらい大好きになった曲。
冬と春と違って、一見ポップで明るい曲だが、歌詞が切なすぎて古傷をがっつり抉られてしまう。これこそback numberの唯一無二の楽曲の魅力。
「君をよこせって言えばよかった」の、依与吏さんの悲しく叫ぶボーカルで心臓ぶっ飛びそうになった。
やっぱりこの曲好きだ!それだよ!って急激に苦しくてなって急激に心地良くもなった。
こういう後味悪い曲をライブの最後に持ってくるところが彼ららしいと思う。

 

アンコール

14.青い春(バイマメンwithおたまねぎさん)

バイマメンが何なのかは、詳細は前回のpartyのブログでも見てください。(全く大した説明してないがな)

ta7cr5prm.com

これまでは『そのドレスちょっと待った』『海岸通り』等、ちょっぴりコメディ感ある失恋ソングが多かったが、まさかの直球の人生ソング。
めちゃくちゃ真面目なめちゃくちゃ泣ける曲をふざけるのがやばい。そういうの面白い。
寿さんに似てるベースボーカルの人は相変わらずヘッタクソに歌うのうまいし、
和也さんに似てるギターの人は普通にいい声だし普通に上手い。惚れちゃう。
寿さんに以下ryは散々色々喋り倒した後に「言葉はいらないぜ」ってカッコつけてて草。

そして再びback number登場(という名の茶番) 。
体を沿って両手広げていた(GLAYのTERUさんばりに)和也さんに以下ryの人についてツッコミを入れる依与吏さん。
あれは神の45度だよ!ゴッドフォーティーファイブだよ!
と名言残してて今日一番笑った。

…なんて爆笑ターンがあるのがback numberだが、
ライブも終盤に差し掛かったタイミングでの依与吏さんのメッセージに再び刺さるl。

"正直、みんなの気持ちを代弁することはできない。
自分で伝えなきゃダメなんだよ。
だけど、背中を押したり隣にいることはできる。
そういう曲もこれからも作っていきたい。"

 

自分達の楽曲の強みとか、何故聴き手に刺さってるのか。
楽曲の物語に自分の人生や自分の好きな人を投影する人が、自分達の楽曲にたどり着いてライブを見にきてくれている。
勿論全員がそうじゃないけど。そういう人が一定数いて、聴き手のほろ苦い経験と深く結びついている事を、今までMCで変わらずに語ってきて、
どんなに人気になっても曲が華やかになっても、そういう人々に刺さる歌詞を書く事は変わらなかった。
良い意味で変化して、良い意味でブレないback numberの音楽、これからもずっと聴き続けていきたい。

 

15.one room

このイベントの言わずと知れたテーマ曲。
テーマ曲ながらも、もはやみんなの古傷を抉る担当になってるところが好き。
夏の終わりの寂しさを感じさせられる曲だが、あえて真冬に聴くのこの曲も良かった。
寂しくも温かい、温かいけどどこか寂しい。
しんみりとした空気感で終わるのがpartyの醍醐味ですね。

 

16.はじまりはじまり

one roomが終わり、打ち上げ花火が消えるような気持ちで寂しくなってたら、まさかのドラムの軽快なカウントが始まる。
依与吏さんが「みんな体調とか大丈夫?!」等と言って、まさかの終わらない空気に。
サポートメンバーが抜けて3人だけで始まったこの曲、実はこのイベントもう一つのテーマ曲。
vol.3までは固定曲であったが4以降披露されず、寂しい思いをしている初期ファンにとっては激アツな展開になったはず。
何かが足りない主人公に愛おしさを感じる曲で、それが不思議と"明日から頑張ろう!"って思わされる、こういうラストめっちゃエモくて好き。
「本当はアリーナツアーで毎回候補に入るんだけどね、なんか盛り上がらなくて(笑)。」
らしい、これは意外だった。
いつかアリーナ会場でも聴けますように!

 

20代の頃みたいに恋愛恋愛…にはなってない今の自分が、それでも恋愛バンド(最近はそれ以外の曲も多くはある)の曲を、今でもこんなに好きな理由がわかった。
今まで歩んできた人生の"とあるワンシーン"を鮮明に思い出し、辛かったことすら心地よく感じさせてくれる。
それはback numberの楽曲にしかできない。
情景を描くことに関して唯一無二のバンドだと思う。
今後、自分の人生どう転んでも、一生好きでいるんだろうなってのはとっくに気づいてる。

私のparty vol.7はここで終わりだけど、
ツアーはまだまだ序盤。ファイナルまで元気に完走できるように願ってます!