去年の年明けのある晴れた日、緑色の丘から降ってきた。
そんな出会いを果たし、同年末に発表されたアルバムリリースと全国ツアー。
即日チケットを申し込む程度に私はこのバンドに本気で恋をしていた。
ニューアルバム『花降る空に不滅の歌を』を引っ提げて開催された、a flood of circleの約30公演の全国ツアー。
その千秋楽が2023年6月16日、同年4月に開業されたばかりのZepp Shinjukuで行われた。
何もかもワクワクした初日千葉公演、
チケットを持っていたが体調不良で泣く泣く断念した京都公演(幸い配信あり)、
京都行けなかった事で急遽追加した鹿児島公演。
その翌日の福岡公演。
基本的にファイナルの新宿公演のレポをしますが、所々他公演の感想も入れ込んでると思います…。
開演。
赤い髪に白の革ジャン×全身真っ白スタイルで登場した佐々木さん(Vo.)、こんな白の似合う人他にはいない。
合わせて渡邊さん(Dr.)も白シャツ。柄シャツのイメージがあったがここで白なのがファイナルって感じする。
個人的に一番驚いたのはガッツリオールバックを決めてきたテツさん(Gt.)。これがめちゃくちゃ似合う…テツ推しの皆さん生きてる…?ってなっちゃった(笑)。
男前になったギタリストとは対照的にネイビーブルーのワンピースで可愛さが増したHISAYO姐さん(Ba.)が良い感じにバランスが取れている。
フラッドは音楽はもちろん、ビジュアルが強すぎるところも魅力だと思っている。毎回楽しみ。
間もなく始まった『バードヘッドブルース』。
出だしから拳を振り上げるオーディエンス、強めなスタートを切った。
今回のアルバム、どの曲も強い意志を持った歌詞が特徴的でこの曲もそうだけど、
どこか"迷い"の感情が強いなぁって思ってて、
それがライブの1 曲目として本当にしっくりくる。
"おはようございます。a flood of circleです。"
佐々木さんがいつもの決め台詞を放った後、
姐さんのゴリッゴリのベースで客席を圧倒させた『Vampire Kila』、
そこから勢いを崩す事なく『Dancing Zombiez』に突入し、会場中にクラップが鳴り響く。
『Black Eye Blues』では腕を揺らすとともに掛け声が響き渡るその光景、段々と自由になってきたライブシーンを想って胸が熱くなった。
各々の時期の楽曲でハイテンションを作り上げた直後、
チャリーン!のお金の音と共に妖しい雰囲気をかまし出して、アルバムにおける強烈なナンバー『如何様師のバラード』が始まる。
このツアーでは曲の途中で佐々木さんが客席に降りてくるイベントが開催されているのだが、
今回もやっぱり降りてくる。前方エリアの中央にいた私のめちゃくちゃ近くを横切って行った。
そしてめちゃくちゃ後ろまで進んでいく。一体どこまで行ったのかは不明。
この曲の名フレーズといえばもちろん"お金ください"だが、
今回佐々木さんがMCで、
"本当はお金なんていらない"
って言ったと事にすら涙腺に来てしまった、そんな特別なファイナル公演。
昨年の代々木公園でのフリーライブで初披露され、最初からインパクト大だったものの時間を経てさらに育ってきた『Party Monster Bop』もまた激アツだった。
この日聴いた渾身の"絶対死ぬな!"は今までで一番刺さった。
キラキラした中でふと切なさも感じられる『カメラソング』。
"笑ってほしいよ"のフレーズで見せる佐々木さんの優しい表情に救われる。
次はコインランドリー・ブルースor人工衛星のブルースはどっちなんだろう、とワクワクするのもこの日でもう終わり。
(ちなみに自分が参戦した4公演、綺麗に2:2に分かれた。)
どちらの曲も好きだしそれぞれの公演でのステージも良かったんだけど、
この日、亡くなった友人知人の事を語り出してからの、
"あなたがここにいてほしい"
と真剣な表情で歌ってた『人工衛星のブルース』が今までで一番印象に残って、涙が溢れてきた。
初日の千葉LOOK公演で
"勝算がないとは無いとは限らない。
俺達がいるし、皆もいるし。"
ギターを弾きながら佐々木さんが語ってたのが印象的で、
そこから披露される『花火を見に行こう』の歌詞とマッチしてた。
毎回私達に向けて踏み出す勇気を与えてくれたこのターンが好きで、
ファイナルはどうなるんだろうって思ってた。
そこで佐々木さんが口にしたのは、
「まだ花火を見れていない。」
a flood of circleはずっと戦ってたんだ、私たちと一緒で。
自分達のことを完璧だと思ってない、そんなバンドが作った曲だからこそ心の奥底に刺さってきたんだろうな、この時初めて解ったかもしれない。
その言葉を言い放った後、マイクスタンドよりも前に出てきて、
花火を見に行こうの冒頭をマイク通さず歌っていたのが胸にガツンときた。
そして、今回のロングツアーを経て、後半戦で解禁された"声出しOK"のガイドライン。
オーディエンスによる"花火を見に行こうぜ"が会場に響き渡る。
やっと花火を見に行こうって言っていいんだ。
涙が溢れて上手く言えなかったけど。
先日MVが公開されたばかりのポップな1曲、『くたばれマイダーリン』は癒しターンだと勝手に思ってたんだけど、
"そばにいるのは"あんた"だけ"と、
佐々木さんが客席を指差して言い放ったシーンで再び泣いちゃった。
爽やかで流れるようなメロディが印象的な『BLUE』。
過去曲ではあるが、迷いの中にある決意のようなものが伝わってきて、
歩仕事今回のアルバムツアーにもマッチしているように感じる。
この辺り、前半戦で披露されていた『STARS』にも言える気がする。
個人的にSTARS好きすぎて…ファイナルで聴きたかった…。
"最低と最高を繰り返しながら、
こいつらと、みんなと出会えた。"
佐々木さんがメンバーを指して、私達客席を指して。
そんな愛情が詰まったこの日の公演の醍醐味、
アルバムタイトル、ツアータイトルになった『花降る空に不滅歌を』の、
ライブバージョンの優しいイントロが流れ出した。
"冷徹なる冬風は悲しい知らせ繰り返す"からの"春風を待っている"
のフレーズ、そういえばツアー初日はまだ2月、冬だったことを思い出した。
あれから約4ヶ月、思い通りに行かない日々、それでも諦めたく無いってもがいた時・・・、
それぞれがそれぞれのフィールドで戦ってきて。
そんな私達がこの日ここで目にしたのは、
ラストサビで唐突に赤い花びらが舞う美しすぎる景色だった。
"現実を見ろ危険だぞベイビー"って心情で、
色々を諦めた大人にとって刺さりすぎた曲で。
最後の最後にそれやっちゃうか!花降らせるか!
誰が何と言おうが、もう少しだけやりたいこと頑張ってみようかな・・・なんて思ってもいいんだ展開。
乗り越えてきた我々に対してのハッピーエンドの花が降ってきたそんな瞬間に涙がボロボロこぼれ落ちた。
そこからの『ロックンロールバンド』。
去年のツアー福岡の私にとっての初のワンマンでのラスト曲だったり、去年の年末の大忘年会の1曲目だったり、
思えばいつも重要な場面で聴いてきた曲だった。
"今日が最後かもしれない"
勿論そうじゃないで欲しいけど、
このバンドが奏でるこのフレーズの重さはなかなかリアルに伝わる。
その流れで放たれた『GOOD LUCK MY FRIEND』は、
バンドをやってた友達との別れからの、
一生音楽やっていく…という自分自身への決意の曲のように思える。
"聴こえてるきがする"
の佐々木さんの叫びからラストの、
"GOOD LUCK MY FRIEND"
のステージとオーディエンスの合唱。なんかもう良すぎた。美しすぎて涙が止まらなかった。どうか届けばいいなぁって強く想う。
そんな別れを描いた曲の直後、佐々木さん、テツさん、HISAYOさんが渡辺さんの方を向いて音を鳴らすエモエモなターン、『プシケ』。
GOOD LUCK MY FRIENDの余韻でやっぱり泣いちゃう。
私は今のメンバーしか知らないのもあるけどね…ほんと、ずっとこの4人でいて欲しいなって、この時ますます思った瞬間だった。
"俺達とあなた達との明日に捧げます"
の決め台詞も無事に浴びてのバンドの代表曲『シーガル』。
コロナ禍前のフラッドのライヴを知らなかった私、イントロでオーディエンスが「いえい!」って叫ぶ瞬間をこの日初めて体感して涙が溢れてきた。
次は私も叫ばせてもらいます!!!!!
ファイナルラウンドへ突入。
"俺の夢を叶えるやつは俺しかいない"
と強く言い放つのが特徴的な『月夜の道を俺が行く』。
アルバムでは1曲めにドカンと持ってくるのが好きだったけど、あえてラストに持ってくる感じ好き。
一見激つよな曲だけど、
成長こそ最優先の割り切った
世界に追われて
変われない俺だけ
繰り返し過ち 認めない卑怯のせいだ
終身刑 俺嫌われたくなくて前向き
不幸ぶって自分だけ愛して
攻めと逃げの違い忘れて
気づけば結局 佐々木亮介
綺麗じゃない部分も含めて自分自身だと受け入れてる、
それが物語の結末だと思えたら救われてやっぱり泣いた。
本編終了に選ばれたのは、今回のアルバムより『本気で生きているのなら』。
先日番組で佐々木さんが話していたのは、
このロングツアー中、同じ歌詞を1度も歌っていない、との事。
自分が参戦してきた公演の中でも確かに毎回違うことを言ってた。
恐らくその時感じた事そのまま喋ってきたんだろうな。
自問自答しながら迷いながらも本当の「これでいいんだ」に辿り着く展開に心を打たれまくっては、
全身全霊の、
本気で生きているのなら
やるべきことはたった1つ
踏み出せ
に心臓ごとブッ刺されたまま、本編終了。
アンコール1曲めは、それこそ去年のアルバムツアーの本編終了曲だった『伝説の夜を君と』。
自分にとっての出会いの曲だからこそ、このタイミングで来てくれたの熱過ぎるし、
多くを語らないが伝わる"伝説の夜"が描かれた名曲、ここで浴びれて良かった。
からの強烈なロックンロールで会場のテンション爆あがりした『ミッドナイト・クローラー』。
個人的に間奏のギターが好きすぎて。
鹿児島の時に私テツさん側の最前にいて、あのギターを目の前で浴びれて幸せすぎて、
ファイナルで聴けて嬉しくてイントロで思わず顔を両手で押さえて崩れそうになりました…ありがとうございます…ところで2番のBメロのクラップがうまくできません…ちゃんと覚えてリベンジするのでまたやってくださいな…。
ここで終わりかと思ったらラスト、『I LOVE YOU』でハッピーな締めくくり。
去年フラッドを知った新参者の私、生まれて初めてフラッドで銀テをキャッチできました一生の思い出にします・・・!
終演後、
・ストレイテナーのホリエさんをプロデューサーに迎えた新曲を出す。
・ツアーもやる(9月からクアトロツアー開催がのちに発表)。
…と佐々木さんが重要なことをゆるっと発表してる最中で、HISAYOさんと渡邉さんが仲良く花降る空から降ってきた花びらを片付けていた光景が可愛すぎました、まる。
2月から始まったロングツアーの完走、本当におめでとうございます!
そして、自分自身を諦めそうになったときに背中を押してくれた『花降る空に不滅の歌を』というアルバムに出会えた事が、このツアーに参加できたこと、もっというとa flood of circleというバンドを本気で好きになれた事、
2023年の上半期の出来事として本当に大きなものになりました!心からありがとうございます!!
8月のFADのアルカラとの対バン、 9月の名古屋クアトロワンマンは既にチケット入手済みなので…まずはそこを楽しみに待っています!
(途中チケット増やさないとも言ってない)。