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【ライブレポート】9mm Parabellum Bullet - カオスの百年 vol.16/EX THEATER ROPPONGI

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9mm Parabellum Bulletのバンド結成18周年の日である2022年3月17日、
東京・六本木「EX THEATER ROPPONGI」にて、アニバーサリーライブが開催された。
昨年は行けなかったのですが、今回はがっつりお祝いに行きました!

 

「9mmの日」と言われている前回の9月9日同様、セトリは何かしらあるだろう…と構えていたら、
出だしから『The Lightning』。超コア曲で驚かされた。
…にも関わらず、客席のリズムに合わせた手の振りや一体感などもはや完璧だった。
私この曲は間奏が特に好きで、そのターンは特にテンション高めでした(笑)。

2曲目は『Answer And Answer』。
定番曲ではあるが、全力で踊れて楽しめる楽しい曲。
(昨年12月に開催されたビルボード公演にて、AC 9mmのアレンジがカッコ良すぎたのもあり、最近再燃している曲でもあります。)

そして『Zero Gravity』が来て、会場のファンを再び戸惑わせる展開になった。
とはいえまさに"身体をリズムに委ねて"状態で、コア曲を思わせないぐらいの会場のノリノリっぷり。

 

実は、既にこの時点で「あ、もしかして…」となってました。
それもそのはず、先日3月9日のYouTube配信を見てふわっと予想を立ててました。

2013年に発売されたアルバム『Dawning』のツアーファイナルが、ここEX THEATER ROPPONGIだった。
同会場でのライブは、その時以来だったとの事。
配信でその話題が出た際に「これはワンチャン再現あるかもな…」と思い、軽い気持ちでつぶやいたものの、まさかの予感的中。
とはいえ次に述べる通りで、他にも様々なお楽しみセトリを挟んでいた為、確信を得たのは本編の後半でしたが。

 

『名もなきヒーロー』も定番曲ではあるが、やっぱり私の中でも最高に熱い、大好きな曲。
"生き延びて会いましょう"のフレーズにいつも救われていて、明日からの生きる糧を貰える。
やっぱり毎回聴きたい。

 

最初のMCのターン。
一度暗転し、客席からは長い拍手が。
なかなかMCに行かず一瞬拍手は止むが、卓郎さんが暗転状態のまま拍手を煽るポーズをした為、再度拍手が鳴る。もはや切りどきを完全に見失っている状態。
声は出せずとも、こういったゆるっと和むシーンがしっかりあって安心する。

 

MCの後半、卓郎さん(Vo.)が「セルフカバーやります」と言って、一瞬頭が「?」となったが、
2011年に9mmが栗山千明さんに楽曲提供をした、『ルーレットでくちづけを』が披露された。あまりにも超展開。
かなり久々に聴いた気がするが、サビで「あっこの曲か〜!!」と懐かしくなった。
女性ボーカルの曲といえど、"ザ・9mm!"な曲調すぎて、卓郎さんのボーカルにもはや何の違和感もない。
ちなみにこの曲ではないが、某歌番組にて栗山さんの隣で暴れていた滝さん(平常運行)のあのシュールな映像が頭に浮かんでしまいつい笑いそうになった。

 

その後も私達を更に驚せてくれた。
少し爽やかで力強い、滝さん(Gt.)のギターフレーズ…イントロ3秒ぐらい聴いて飛び上がる程度には、常に聴いていた大好きなカバー曲、スピッツの『ロビンソン』が来てしまった。
そう、まさかの"カバー曲3連発"が始まった。

爽やかめな原曲に対し、もはや青春パンクになったアレンジが潔く良すぎるし、9mmらしいリスペクトだなぁと思っている。
かみじょうさん(Dr.)が放つドラム演奏が心地よくて好き。
ラストで激しくなるところも好き。和彦さん(Ba.)の両手弾きによりベースが一瞬宙に浮きました。

 

ここまで来たら「次のカバーは何ぞや…?」と待ち構えるところですが(ちなみに私はTVのシンガー待ち構えてたのはナイショ)

「東の空から夜な夜なドライブ」

と、卓郎さんのボーカルから始まった時、会場のテンション爆上がりの光景を目撃しました(勿論私も)。
UNISON SQUARE GARDEN『徹頭徹尾夜な夜なドライブ』のカバー。
もう言うまでもなくみんな好きよね。
イントロのゴリッゴリのギターやサビの歌の掛け合い、個人的に滝さん節が炸裂してるカバーだと思っている。
とにかく首振りたくなった。いや振ってた。
この曲に限った話ではないけど、今回滝さんのコーラス、いつも以上にハッキリ聴こえて嬉しかった。音響がいいのかな?

各所の名曲達のカバーをガッツリ楽しめたターンだった。熱かった!
次はTVのシンガーを是非(大事なことなので2回以下略)。

 

ここで再びDawningの楽曲に戻る。
『黒い森の旅人』、実は最近再熱し聴いていた為、この特別な日での披露は嬉しかった。
ここでも滝さんの美しいコーラスに心を奪われ、どこか感じる哀愁ある曲調と併せて、なんだか胸が切なくなった。

 

再びMC。
今年8月にニューアルバムを発売、現在はアルバム完成に向けて取り組んでいるとの事。
というわけで…待ってました。新曲のターン。
まずは、ライブ初披露のインスト曲。
卓郎さんが「拳を振り上げる系のインストです」と言った通り、9mmらしい、ゴリッゴリの熱いインストでした。
アルバムのどの位置に入るのか楽しみなところ。

 

そして次は、9月9日にアンコールで初披露された新曲がここでも。
タイトルは『ワンモアタイム』。
2月14日は参戦できなかった為不明だが、タイトルは恐らくこの日が初公開だったのかな。
因みに私は、この単語はカタカナを連想しましたが(某2人組バンドの曲とか)
Twitterでは『One More Time』と表記している方が一定数いた気がしますね。どこかで話が出たのか、私が聞き逃していたのか。
何れにしても、楽曲的には英語タイトルの方がしっくりきます。

今までの9mmにはちょっと珍しい、がっつり踊れるロック!な明るめお祭りソングっぽい。
なお、歌詞は全く聞き取れていない(というより覚えていない)。
イントロから耳に残るサウンドで、もう既にお気に入り状態です。完成が楽しみ。

 

新曲3つ目、『淡雪』。2月14日に披露されていた事がTwitterで話題になっていて、早く聴きたいなぁって思ってたので、安心した。
今までのゴリゴリ曲とは対照的で、優しく切ない桜ソング。
失恋曲かな…?と思いつつも、ちょっと聴こえた歌詞で、"僕らが出会ったのは別れの季節"ぽい表現があって(※かなりニュアンス)、
それこそ結成日がそういう季節だもんね、もしかしたら9mm自身のことを歌った曲なのでは…?とちょっと飛躍しすぎな解釈をしてみた。

もはやこの3曲で既にワクワクしていますが、
まだ聴けていない新曲あるし、1枚のアルバムとして発売されることが今から楽しみです。

 

新曲のターンは終わり、テンポの良いドラムから始まる『Caution!!』。
間奏がカッコ良すぎて痺れまくりだった…。

そしてアルバム曲ではないが、Answer And Answerのc/wで冬のバラード曲『Snow Plants』も披露。
雪の花びらを連想させられる照明と、卓郎さんの淡くて美しいボーカル重なって、心が浄化された。

季節は冬から秋に逆戻って『コスモス』へ続く。またまた癒しのターン。
Snow Plantsからの流れ、すごくしっくりくる。もういっそ定番化してください。

最新シングル曲『泡沫』。
過去曲から続いて披露されても全然違和感がない。
それぐらい"昔からの9mmらしさ"を詰め込んでいる曲と思う。だけど、何かに似てるわけではない、新しさもある。
この曲、最初にイントロのギターを聴いた時、ここにきていきなり9mmの集大成が来たとか思ってしまった程度に(笑)。どの曲の前後に持ってきても上手くハマる気がする。

 

泡沫の終わりの方で、スタッフさんがアップライトベースを和彦さんに渡す場面を目撃(←お前は本当に下手側ばかり見てるよな)
今回も来た〜!!とテンション爆上がったのが、『キャンドルの灯を』。
わたくし楽器無知野郎ではありますが…この曲のベースの音が心地良くて、アップライトベースを立てて演奏する和彦さんが本当に絵になります。大好きです。

アウトロはもはや会場全体が下手側に釘付けになるターン。
今回もやってくれました。ベース回し。
本当にありがとうございます。
なんとなく、9月9日よりもソフトマイルドに回していたようにも見えました。

 

再びMC。
「自分にも参る事があって…今の世界中のことや、それまでも。」…などと話し始める卓郎さん。
恐らく、コロナの事、戦争の事…なども含めた話をしているのだろうか。
そしてちょうど前日の夜は、東北地方で大きな地震もあった。
なかなか上手くいかない日々が続いている。

「だけど今日、こうしてステージに立ってると、
"この為に音楽やってるんだな"と改めて思わされた。」

 

私もまた、地震の影響で今日のライブはどうなるんだろう、と不安になりながら東京の街を歩いていた。
新幹線が動かず、参戦が叶わなかった方もいるらしい。
もしこれが自分だったら耐えられない…と切なくなって、勝手に朝から泣きそうになっていた。
(勿論、地震を経験してない自分だから言えることかもしれないが。当事者はライブ行けない以上に沢山の苦悩がある筈だから。)

色々モヤモヤする気持ちはあったが…無事に開催されて、音が鳴って歌が聴こえて。
ライブを体感したことで、一気に吹き飛んだ気がする。
やっぱり私にとって"これ"が全てなんだ。
いつもずっと考えてはいるけど…改めて今日この瞬間、
「9mmを好きになって本当に良かった」
そう強く思った。

 

そのMCからの『太陽が欲しいだけ』『Living Dying Message』という、
心の痛みや孤独に寄り添う曲が立て続けに来たのはやばかった。

ツキに見放されて
流れ星は消えた
それでも最後には笑え

さあ両手を広げて
全てを受け止めろ

会場中が両手を広げた光景、いつも見慣れている筈なんだけど、
この日はいつも以上に特別に思えた。

 

これから先
消えてしまうものだけ
選んで愛したとしても

あなたは二度と孤独になれない
いつか必ずわかる気がするよ
あなたは二度と孤独にならない
いつか必ずわかる気がするよ

このメッセージでいつもどれだけ救われていることか。

何度も言ってますが、Living Dying Messageは永久最推し曲です。
9月9日はメドレー形式で披露はされたものの、今回久々にフルを聴けたのも良かったし、
Cメロの歌詞が印象的(そこからラストサビに繋がるところが)で、ここが聴けたのが何より嬉しかった。
卓郎さんと滝さんの声が重なるところも胸熱だった。

 

そして、この2曲のメッセージがどうか、
今日、参戦を断念された方にも届きますように。

 

本編後半。
定番曲『新しい光』によって、会場に熱気と光をもたらしていた。
後半でサポートギターの武田さんを含めた4人が、ギターorベースを立てたシーン、綺麗に揃ってて痺れました。

Dawningでもラストを飾る曲『The Silence』で本編終了。
この曲を最後にライブで聴いたのはちょうど3年前、Zepp Sapporoの時だったので、合わせて3年前の想い出までも蘇ってきていた。写真撮影OK &ガッツリ花道という最強の公演でしたね。
ちなみに細かすぎて伝わらないかもしれませんが、卓郎さんの"血を流した両足を引きずらせて"の、"ら"の上がり方が好きなんです…。今回も堪能できて大満足。

 

ここからはアンコール。
MCで、今回のコンセプトが例によって、Dawning再現である事を話していた。
卓郎さんが「"この曲やってないじゃん?!"みたいなのあると思いますが…(笑)」と話していたが、
やらなかった数曲のうち1曲は見事、私のDawningのナンバーワン曲でした。
何とは言いませんがずっと靴履いてる曲です(謎)。
いいもん3年前のDEEP BLUEツアーで聴けたからいいもん。

アンコール1曲目はコア枠どれかが来るか…いや来てないあの定番曲かな…って構えてましたが、普通に後者でした、『ハートに火をつけて』。
もちろん大好きな曲なので嬉しいし、この曲が来ると、特に"ライブの楽しさ"を感じさせられる。灰になるまで盛り上がった。

そしてやっぱりこの曲を聴かないと終われない、『punishment』で終了。
普段は下手の民ではあるものの、この曲に関しては滝さんのゴリゴリギターをガン見してしまう。
最後の最後…残っている力を全て出し切って、会場を後にしました。

 

大好きなアルバムの再現、カバー祭り、新曲祭り…。
あまりにも色濃いライブで、もう全てやってくれた気がします。余韻が強すぎる。
だけど、これから始まる新しい9mm、アルバム発売も9月からのツアーも、
もっと楽しめることが沢山待ち受けているんだなぁと思うと、未来に対して心が明るくなる。

 

余談。
9月9日のレポと同じように、ラストに"某推し(バレバレ)の今回のポイント"的なものを持ってこようと思って、
ちょうど当日、終演後にTwitterで書き殴ったツイートを貼ろうかなと思いましたが…、
ツイート内容も然りリプ欄でのやりとりも然り、完全に放送事故の為やめておきます。
ブログで位はまともな人間に見られたい。


そんな話はさておき、

最高に楽しいアニバーサリーライブを体感できたこと、本当に幸せです。ありがとうございました!
来年も再来年もこの先もずっと、この日を現地でお祝いできますように!