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a flood of circle『伝説の夜を君と』レビューなど

本当に今更なんですが、最近の推しバンド「a flood of circle」の話でも。

そもそも3年程前にアルバム『THE BLUE』をレンタルしてPCに取り込んでいたものの、聴かずに放置する始末。近年はライブの予習目的で音楽聴くことばかりで埋もれている音楽が沢山あり…。

フラッドといえば、
UNISON SQUARE GARDENや9mm Parabellum Bullet等のトリビュートに参加していたり、
フロントマンの佐々木亮介さんといえば、
SHIKABANE(山田将司×菅原卓郎×村松拓×佐々木亮介)に参加していたり、
singing bar look(村松拓×佐々木亮介×宍戸翼)に参加していたり、
何気に常に私のホームグラウンドに居たバンドマンで、聴かなきゃ聴かなきゃ…!と思ってはおりました。
2/1のsinging bar lookのチケットを確保したタイミングで、Twitterのフォロワーさんからオススメ曲を伺ったりして、ようやく聴き始めることになりました。

いざ聴いてみたら・・・めちゃくちゃ良い(語彙力)。
超雑食のライブ遠征厨、これ以上「好き」を増やすわけには…と思ってはいるんだけど…ね…。

今回はそんなフラッドに対する私個人的な印象と、
最新アルバム『伝説の夜を君と』の楽曲について書きました。

 

楽曲の話

とにかく強い

フラッドといえば亮介さんのパワフルなボーカルの印象があったけど、
とにかく演奏が全パート強すぎる。
個人的にはアップテンポ曲のドラムのドコドコ感が特に好きだったり。

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最初から最後まで攻め×攻めで、引き算をしてないこの感じ…潔くて最高です。絶対ライブ楽しいやつやん。

そもそもブラッドレッドシューズってタイトルが良いよね。(←そうか?)
9mmの『Scarlet Shoes』といいTHE BACK HORNの『赤い靴』といい、赤い靴系の曲はかっこいいって事が立証されましたね!

 

落ち着いた曲も映える

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先程のゴリゴリなロックとは対照的な、いわゆる"ブルース"っぽい曲も結構多い。
そもそもタイトルに"ブルース"が付いてる曲、3曲はあるよね。

亮介さんの渋めの美声とアコギの音色が、哀愁系の曲を生えさせるなぁ。これは弾き語りライブが本当に楽しみであります。

ちなみにこの『YU-REI Song』、主人公が幽霊という設定の少し不思議な曲。歌詞もめちゃくちゃ良い。
死の世界から"生きているうちにやりたいことをやれ"、を伝えている曲。刺さります…。

 

歌詞が泣ける

フラッドは現時点で9割以上、ボーカルの亮介さんが作詞をしていると思われる。

パワーのある歌声だったり、SHIKABANEの配信で喋りを見ていて思ったのもあり、
亮介さんは元気で明るい兄ちゃんなイメージを勝手に持っていました。

だけどフラッドの曲は、マイナスの感情から始まる人生ソング、劣等感と戦う曲等…シリアスみが強い曲も多いように思える。

劣等感といえば、彼はスピッツに憧れているが、スピッツの様に歌えないことに対してコンプレックスを感じていたとの事。

「なれないから、いっそ自分になろう」と考えて、このバンドをやっている。この事を草野マサムネ本人に直接伝えたら「甲本ヒロトさんになりたくてスピッツをやってたけど、なれないって気付いてこうなったから、佐々木くんは正解だと思う」と言われ、感動した
(Wikipediaより)

めっちゃ良い話や…。

そんな彼の内面もあって、現代人に刺さるリアルな歌詞を生み出しているのかもしれない。
私にとって歌詞が一番好き、というよりは現時点でフラッドの曲で一番好きなのが『花』。

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亮介さんの心の闇、孤独心、そしてバンドに対する想いに泣かされます。
ライブで初めて聴いて泣く曲は沢山あるものの、CD音源を初めて聴いて泣く曲は年1回あるか無いかぐらいなんですが、これは最初聴いて涙がボロボロ出てきた。仕事の休憩中に聴くんじゃなかった。

明るい未来とか言うけどさ
実際全部闇の中さ
泥水にまみれもがいてでも
呼吸をして生きていく

暗闇を見ているからこそ、サビの"世界は素晴らしい"のフレーズにグッときます。

 

アルバム『伝説の夜を君と』全曲レビュー

2021年12月22日に発売されたばかりのアルバム『伝説の夜を君と』が最高に良かった。

私はCD聴くにあたって、オリジナルアルバムの世界観も重視するんですよね。
タイトル、テーマ、曲順等含めて。
このアルバムは1曲1曲も良いけど、1枚の作品として統一感があって聴きやすい。
だからといって似たような曲は無く、それでも"1人の主人公の1つの物語"として堪能できる。
全13曲って、最近自分が聴く作品にしては少し多めなんだけど(個人的に10曲が丁度良い)、全然だらけないし、捨て曲もない。

…なんて新参者のくせに偉そうに語っちゃってますが、
フラッド聴き始めの視点で、音楽知識も文才もない私ですが、アルバム全曲レビューやります。温かい目で見てやってください。

 

1. 伝説の夜を君と
伝説の夜を君と

伝説の夜を君と

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

タイトル曲。何かが始まりそうなワクワク感だったり、ちょっと不思議な雰囲気もある。
短めだし、比較的シンプルなんだけど、それは後の世界観を崩さない為かもしれない。
ここで結論が出てるけど、"伝説の夜"=ライブ、って事ですね。

 

2. 北極星のメロディー
北極星のメロディー

北極星のメロディー

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

アルバム1番のPOP枠。MVも作られているし、恐らくアルバムの看板のような曲かも。
キャッチーなメロディだが、ありがちじゃない。聴いてて幸せになれるようなトキメキソング。
キラキラした曲調な反面、"奴らにゴミと呼ばれても"…等、人生と戦っている歌詞がフラッドらしい。

 

3. クレイジー・ギャンブラーズ
クレイジー・ギャンブラーズ

クレイジー・ギャンブラーズ

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

"ロックンロール!"な感じのイントロから始まる。個人的なポイントはAメロの忙しいベース。
曲の所々に合いの手が入ってて、これは…声が出せるライブでも楽しみたいなぁ。
"最後は俺らが爆笑だぜ!"と、一定の自信に満ち溢れている感じ、序盤感があって好き。

 

4. Welcome To Wonderland
Welcome To Wonderland

Welcome To Wonderland

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

これもまたザ・ロックンロール。クレイジー・ギャンブラーズとの連チャンはライブでもやってほしい。
出だしの"奇跡のBaby"からのイントロの入り方が絶妙だったり、
ノリノリだけどどこか哀愁もあるメロディラインのサビとか…とにかく曲調が好みです。

 

5. セイントエルモ
セイントエルモ

セイントエルモ

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

三拍子のミドルテンポ曲。ここでちょっと雰囲気が変わる。
シンプルだけどそれが良い。懐かしく切ないイントロのギターのフレーズから好み。
一見失恋曲?って思ったけど、アルバムを通しだと、訳あって離れてしまった友人や同志…の曲にも聴こえてしまう。

 

6. A
A

A

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

全体的に渋め。イントロのKing Gnuを感じるのは私だけでいい(笑)。
テンポは良いのに重たいサウンドと雰囲気、そのギャップが絶妙で、亮介さんの声にもぴったり。
"悪いことしようぜ"って要するに、良い子ちゃんになるな、自分を貫け…ってメッセージなのかなと思うと胸熱。

 

7. バタフライソング
バタフライソング

バタフライソング

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

ここでまたPOPな曲。メロディラインがとにかく可愛い。
曲は可愛いのに歌詞は"もう嫌だわ 死にたい朝"から始まるところも含めて好き。
なんとなく、僕が手を引っ張ってあげるから…的な、頼もしさを感じる曲。これはライブで聴きたい。

 

8. 狂乱天国
狂乱天国

狂乱天国

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

そういえば今日ピンポイントでバクホンの栄純さんがTwitterで口ずさんでいましたね(笑)。
だからじゃ無いけど、バクホン好きな人は絶対この曲好きだと思う。
タイトル通り狂ってる。良い意味の不気味。それなのにかっこいいし、ずっと耳に残る。

 

9. テンペスト
テンペスト

テンペスト

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

哀愁系アップテンポ。ここからシリアスな空気にしているのが、このアルバムの魅力だと個人的に思っている。
曲調全体的に好みだけど、特にサビ後半の雰囲気が良い。徐々に胸が締め付けられそうになる感じが。
ちょっと壁にぶつかり始めてる歌詞も切ない。結末のフレーズ、"ロックンロールを歌っている"と、答えを出していない感じがとても印象的。

 

10. 白状
白状

白状

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

バラード枠。ピアノと亮介さんのボーカルオンリーの1コーラス目が特に震える。
音楽に対して"これが生きる理由だ 本気で信じてたんだ"ってなっちゃうのがあまりにも切ないけど、
だからこそ"本当は諦めてない"のラストサビ、亮介さんの叫び含めて号泣ものです。そして明るめのアウトロがあえて泣ける。

 

11. R.A.D.I.O.
R.A.D.I.O

R.A.D.I.O

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

いかにも"ラジオ"を連想させられる始まり、70〜80年代感ある軽快なポップロックが耳に心地よい。
『白状』の次に明るい曲来ると、何故かその明るさに泣けちゃうんだよ。"君に出会えた"のフレーズで泣いちゃう。
サビのメロディ、明るいけどちょっと切なさもあるからますますウルウル来る。

 

12. ブレインデッド・ジョー
ブレインデッド・ジョー

ブレインデッド・ジョー

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

爽快感があるライブ向け曲。アルバムの最後に向けての勢いを持つようなアップテンポ。
ここでシンプルでまっすぐな"バンド!"って感じの曲が来るのが胸熱なんだよなぁ。
"お前のロックンロールはいつもお前次第"と、アルバム中盤での苦悩に対して答え出してて泣いた。

 

13. 世界が変わる日
世界が変わる日

世界が変わる日

  • a flood of circle
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

ちょっと歌謡曲感もある、温かみのある曲調。今までで一番まっすぐな優しさがある。
少しスピッツぽいなぁって思うのは、やっぱり亮介さんがリスペクトしているからかも。
ゴミと呼ばれても、正しく無くても、希望が墜落しても、ボロボロでも、もう疲れても、
"味方でいるよ"、そう言ってくれる存在が居ることにどれだけ救われることか。
そんな「伝説の夜を一緒に共有できる」最高のアルバム…そのラスト曲がこれで良かった。

 

新譜がこんなに良いので、過去アルバムも順番に聴いてみるイベントやろうかなぁ。(今はランダムで聴いてる)

そんな感じで最近お熱なフラッド、フロントマンの弾き語りもツアー参戦も全力で楽しみです。
まだまだ勉強中なので、好きな曲増えたらまたブログ書くかもです!