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【ライブレポート】GLAY ARENA TOUR 2021 "FREEDOM ONLY"/マリンメッセ福岡

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※ツアー中につき、ネタバレにご注意下さい。

2019年のツアー「DEMOCRACY 25TH HOTEL GLAY THE SUITE ROOM」から2年後、
発売されたばかりのアルバム「FREEDOM ONLY」を引っ提げ、11月頭より全国ツアーが開催されている。
私は2021年11月27日、福岡公演初日に参戦した。

約2年ぶり、同じ会場でGLAYで再開出来るのもあり、
アルバム「FREEDOM ONLY」の楽曲が好みすぎるのもありで、
チケットが取れた事が本当に嬉しかった。
プレイガイド最先行で取ったにも関わらず、2階席の後ろの方だったのですが…もう会場に入れるだけで嬉しいよ…。(いつの日か近い場所で見たいなぁ)

※ここから楽曲のネタバレ含みます。

 

今回のセットリストは主に、最新アルバム曲+定番曲+過去の名曲から選曲され、私のような若干なニワカファンでも楽しめる内容だった。
そして前述の通り、アルバム「FREEDOM ONLY」は本当に名盤であると早くも感じている。

その正体はおそらくコンセプトにあるかもしれない。

本作のコンセプトは「シンプルでエンターテインメント性が高く心が癒される優しい音」で、1997年〜2020年までの中で制作された楽曲が収録されている。
また、TAKUROによるとコロナ禍の中で改めて自分と向き合ったうえで過去のデモを聴き直すうちに、制作当時では思うようにできなかったことや、やらなかったことが今のGLAYならできると確信した、という。

そのため今作は80〜00年代に自分たちがリスペクトしてきたアーティストの要素を現在のフィルターで噛み砕き、
自身のルーツであるJ-ROCKおよびJ-POPに色濃く反映させたアルバムに仕上がった、とのこと。
(Wikipediaより)

個人的にGLAYはロックバンドでありながら、J-POP感も強いところが聴きやすく好きだなぁと思っていたし、
「昔のGLAYらしさ」「今の時代(コロナ禍)だから出来たもの」の、どちらも色濃く表現されている1枚になっている為、世代を問わず愛されるアルバムであると感じている。

 

出だしは『BETTY BLUE』『Hypersonic』、アルバムと同じ流れ。
BETTY BLUEは曲調は明るいが、所々切なくさせられるラブソングになっている。

Hypersonicは対照的に、遊び心満載な歌詞が特徴的で、アップテンポで盛り上がるステージだった。
とはいえ、"100個所で無料ライブをやる"…等、今後の彼らに対し(勝手に)ワクワクさせられるフレーズも満載だった。

最後、TERU(Vo.)がHypersonicのサビのメロディに乗せ、
"福岡のみんなを笑顔にする事だ"…と歌詞を変えて歌った場面にはジーンと来てしまった。


アルバム曲だけ既に胸がいっぱいだったが、過去曲の選曲があまりにも自分好みだった。
世代的に、90年代後期〜00年代のGLAYを好んで聴く事が多かった私、
青春時代に聴くに聴きまくった、むしろ今でも聴きまくってる『いつか』がまさかここで登場するとは。イントロで飛び上がった。

この曲は恐らく失恋ソングだが、

きっといつか この先またどこかでお前に会える
かまわないで 今は独りでいい 声のない街角

"声のない街角"のフレーズが特に、今の状況だからこそ胸に刺さってしまう。
コロナ禍後初の全国ツアーだからこそこの選曲なのかも…と勝手に思っている。

 

GLAYといえばもちろん冬。
『Winter Moon Winter Stars』は名前の通りウィンターソング。
…にも関わらず、ステージ演出では炎が炸裂。このギャップが最高である。
この曲は歌詞に"コロナ"のワードが入っており、近年で出来た曲である事が伺える。

いつかきっと この時を懐かしく思うだろう
いつかきっと 君といた冬の月 思い出すだろう

まさに、今日このライブの事かもしれない…。
TERUの優しい歌声と合わせて、自然と涙が出てくる。

そもそもGLAYのライブ、全曲でスクリーンに歌詞が出てくるところが反則過ぎて。
それもり、泣きっぱなでした。

次曲『漂えど沈まず』もコロナ禍に出来た曲との事。
『漂えど沈まず』、そして和を感じさせられる最新シングル曲『BAD APPLE』の2曲、アルバムでも続けて収録されている。
どちらの曲も"寂しさ"や"孤独感"を感じさせられる歌詞で、ダブルで胸が苦しくなった。

今回のステージセット、りんごのような丸い実がなっている大きな木の様なものがあった。
BAD APPLE演奏中、木の葉と思われる部分は紫色だったが、ラストで緑色に変わった。
まるで未来への希望を描いているような、そんな演出が印象的だった。

 

ここからは少しダークな展開へ。『Tiny Soldier』『Holy Knight』と続く。
Tiny Soldierは間奏がとにかく美しい。生演奏で聴けて震えた。
Holy Knightではサポートメンバーのハジメタルによるキーボード演奏から始まる。
後半、激しい曲調の中に後半で女性ボーカルが入る事で、何故だか儚さも感じさせられた。

 

ここからは明るいターンに突入。

2010年のアルバム曲より爽やかなナンバー『シキナ』、
BAD APPLE収録曲『SHINING MAN』はクラップ祭り、
TERUの叫びから始まる『FATSOUNDS』と来て、会場大盛り上がり。

今度はJIRO(Ba.)がステージ中央に出てきて、TAKURO(Gt.)の2人がコールアンドレスポンスをしだす。(※TAKUROは客席役)。
何が始まるんだ…?と思っていたら、そのまま『SHUTTER SPEEDSのテーマ』が披露された。
CD通り、冒頭ではJIROがボーカルを担当。ここでJIROの生歌聴けるなんて。
ベースかき鳴らして歌うJIROがあまりに可愛すぎて、ビジュアル的に学園祭バンド感があった。(勿論、演奏と歌のクオリティは超プロ級だが。)

そしてお馴染みのライブ定番曲『彼女の“Modern…”』。
とはいえ、私は数回聴いたのみ、ライブに合わせた盛り上がり方(手の振り等)については初心者だったが、
周りのファンの方々、プレイガイド先行席とは思えないぐらい完璧な振りをされてたので、勉強させて頂きました(笑)。

 

本編終盤では再びFREEDOM ONLY収録曲に戻る。
『青春は残酷だ』は、昨年コロナ禍に突入したばかりの時期にTAKUROが最初に持ってきた曲で、凄く印象に残っている。とTERUが話していた。
懐かしさを感じるサウンド。まさに"青春時代"を現しているが、大人になった今だからこそ出来た曲だと思うし、
今の彼らだからこそ"不滅、青春は残酷だな"って言葉が出てきたんだろうなぁと…思わず感極まった。

本編ラスト曲『祝祭』では、スクリーンに映る歌詞が手書きだった。
メンバーが今一番伝えたいメッセージである事が想像できる。

アウトローでは、"自由"をテーマにしたメッセージが表示され、
-FREEDOM ONLY 完-…のような、終幕を偉わす映像がドンと表示された(完全にニュアンス)。
それが凄くカッコよく、胸に響いて…まさか、アンコールは無いのか?!と心配になる程完璧なエンドロールだった。

 

そんな心配はよそに、再びメンバーが登場。アンコールはガッツリ4曲もありました。

『永遠を名乗る一秒』はいわゆる"GLAYからのクリスマスプレゼント"。
アルバムは切ない曲が多めだったが、この曲は唯一、幸福度の高いラブソングになっていて、癒しのターンになった。

アンコール2曲目は公演によって日替わりになっている。
現時点では、北海道のみWinter,again固定だったが、
それを除いては。公演毎に、誘惑/SOUL LOVEのいずれか1曲が披露されている。
この2択、昔からのファンにとってはワクワクしますね…。
福岡初日は『誘惑』が披露された。(翌日はSOUL LOVEだったらしい)

 

TERUがMCで、
「夢を追うことが難しくなった世の中だけど、共に夢を追いかけていきましょう!」
と叫び、『BEAUTIFUL DREAMER』のイントロが流れる。

実は、GLAYの楽曲3本指に入る程好きな曲で、
中学時代になけなしのお小遣いで、GLAYで初めて買ったCDがBEAUTIFUL DREAMERでだった。
前半の『いつか』だけでも、今回のツアー参戦を選んで本当によかった…と噛み締めていたところだったのに、まさかの爆弾だった。

明るい曲調に切なさのある失恋ソングで(この時代の失恋曲大好きだな私)、
だけど未来への希望も歌っているようにも思える。
美しい歌声とメロディにウルウル来た。嘘ですイントロから号泣でした。

〜全ては美しくある為に〜

ラストのこのフレーズも本当に大好きで。令和のTERUの歌声で聴けるなんて。
この時に決めました。
ツアー参戦増やそう。

 

本編終わった時ぐらいから、あれ、あの曲来てないぞ…?まさかやらない事はないはず…と思いつつも、一瞬不安になった理由の曲がある。
シングル曲とはいえ、私が今アルバム収録曲で一番好きな曲、『FRIED GREEN TOMATOES』。
最後の最後に披露してくれました。

この曲、実は20年前ぐらいからあったとの事。

TAKURO曰く「楽曲的にはいわゆるGLAYの王道のメロディーだと言われそうですね。なんて言うか、とてもGLAYらしいと思います」とのこと。
(Wikipediaより)

ほんそれですね。
個人的には、pure soul・a Boy~ずっと忘れない~・春を愛する人あたりの、優しい曲調や歌詞を連想させられる。
まさにGLAYの得意分野。(※個人の意見です)
V系とも言われたロックバンドで、このキャッチーさと優しさを出せるのは彼らの魅力の1つだと思っている。
この辺りの楽曲好きな人、絶対にFRIED GREEN TOMATOES気に入るはず。

そしてまた歌詞が泣けるんです(今回ひっきりなしに泣いてた記憶が)。
ちょっと切なく、だけど温かい。
まさにラストにふさわしい曲と思う。

色づいたメロディが動き出すように
君の愛したこの場所にまた春が来る

"また明日から走り出そう。"
そんな気持ちを胸に刻める様なライブだった。

 

…ところでアルバムのラストの曲『桜めぐり』が披露されていないが、
終演後のエンドロールにて流れることとなった。
スクリーンには、昭和後期〜平成〜現代の、時代を彩る人物が登場していくイラストアニメーションが映し出された。

小渕元首相、菅元首相の元号発表シーンもあったり。
勿論ミュージシャンも。GLAY登場の場面では客席から拍手が湧いた。
恐らく宇多田ヒカル・椎名林檎・SEKAI NO OWARIあたりは見つけきれた。

 

ライブから帰ってきた後の私、
HISASHI(Gt.)のYouTube配信を見ながら、どの公演を追加するか計画を立てておりました。
しかも丁度、来年のツアーのプレイガイド最先行期間だった。
と言うわけで、神戸初日を申込み。
当たればの話だけど、またアルバム各曲や、いつか、BEAUTIFUL DREAMERあたり聴けるのが楽しみすぎる…!!

 

それにしてもツアーはまだ続くけど、2年前も今回も、福岡で見れた事が本当に嬉しかった。
実はデビュー当時?に最初にDRUM Be-1に来て、
そこからコロナ禍前の2019年までは、毎年欠かさず福岡でライブを行っていたとの事。

「北海道出身の自分達が、こうして福岡のアリーナクラスの会場に足を運べる事は幸せだなと思います。」

MCでTERUがそう話していた。この言葉が嬉しかった。
むしろ幸せなのは私たちの方だもん。
本当に毎年ありがとうございます。
また来年も福岡で会えることを願っています!