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【ライブレポート】back number - SCENT OF HUMOR TOUR 2022/別府国際コンベンションセンター ビーコンプラザホール

back numberの今回のアリーナツアー、九州は大分・別府にて3Daysの開催となった。
私はその2日目の2022年6月11日に参戦。
ここ数年はマリンメッセ福岡で開催されることが殆どだったので、まさかの別府開催は個人的に熱かった。
記憶の限りでは大分県でのライブ参戦は初だったし、
当然、当会場にも初めて足を踏み入れた。

そのビーコンプラザホール、
アリーナ席・スタンド席・その他サイドに立ち見席があった。
立ち見席は長方形に括られているような、少し変わった設計だった。
言葉だけでは全然伝わらないと思いますが…。
↓公式サイトトップの会場内の写真の車のイベント?あたりが分かり易い、と思います(丸投げ)。

www.b-conplaza.jp

私はスタンド席だったのですが、
スタンド席は依与吏さん(Vo.)より「階段の民」と呼ばれたり、
立ち見席は「マンションの住人」と呼ばれたり。
相変わらずユーモアセンス抜群な依与吏さんでした。

 

※ここからネタバレ含みます。
今ツアー、広島以来の参戦ですが、広島レポと表現が被ってたりしたらごめんなさい…。
↓広島参戦レポ。

ta7cr5prm.com

 

開演後のオープニングでは、スクリーンに今ツアーのスケジュールが表示される。
会場別に違ったデザインで展開されるのが面白かった。
北海道は牛柄、大阪は豹柄、新潟はお米…等、ご当地にまつわるものだったと思う。

1曲目『怪盗』でライブスタート。
去年発売された曲で、これまで披露する機会が殆どなかったこともあり、
1曲目に聴けるのは熱かった。

そこからは、人生の応援歌『羊と泡』、
恋人との温度差に悩むラブソング『アップルパイ』へと続く。
それぞれ違うタイプの曲でありつつも、実はどちらも"主人公の不器用さ"が上手に描かれていて、やっぱりback numberのこの感じが心地よいなぁ…と思いながら聴いていた。

『エメラルド』ではピンク×緑の照明が曲にマッチしていてカッコよかった。
広島のレポでも話した気がするけど、
昨年のFCツアーの時より良い意味で音が重くなっていってるというか、
どんどん育って行ってる感じがする。
大好きな曲だし、ツアーが終わってまた次のライブでも聴きたいなぁ。

ステージ上のミラーボールに閃光を放つようなキレッキレの演出で、ライブ定番曲『MOTTO』を披露。
もしかしたらエメラルドの時もミラーボールあったかもしれないけど、
エメラルドは演出も色彩も華やかでよく見えなかった。
MOTTOは基本、白黒かセピアカラーの照明だった。
スクリーンに映るメンバーの映像も白黒。
カッコイイながらも、全体的にシンプルだった。
最後、暗転しながらミラーボールが天井に引いていく光景が何かシュールだった(笑)。

 

ここで依与吏さんのオリジナル弾き語りから、新曲『赤い花火』に続く。
そういえばあの弾き語りの歌詞、前回と違う気がする…?もしかして即興??
この曲、去年のFCツアーの時から、通算7回聴いていますが、
現時点で完全に未発表曲で音源も出てない事もあり、
まだワクワクした新鮮な気持ちで聴くことが出来る。

夏曲といっても、華やかだったり爽やかだったりするものではなく、
少し寂しげなメロディラインやアレンジになっていて、それがとても心地よい。
(全然違う曲だけど、わたがしを思い出す…。)
アウトロでドラム少し激しくなるところが特にエモかった。
演出も曲に合ってて、天井に赤い花火が舞ってたのが素敵だった。
しかもちょっと儚げなやつ(これ重要)。

そういえば今回の公演では、赤い花火についての説明がMCで無かったような。
初めて聴いた方は色々混乱してるかもですね…。
「???」な方は広島レポや、去年のFCツアーレポ、2021年楽曲レポ等に少し記載していますので、ご覧頂ければ…という宣伝です(笑)。

ta7cr5prm.com

 

 

インディーズ時代の名曲、みんな大好き『風の強い日』。
"ごめんね"の叫びからの、ラストサビのボーカルが熱かった。
切なくて悲痛な感じがまっすぐ伝わってきて鳥肌ものだった。

 

ここで恒例のわちゃわちゃMC。
大分公演の初日ではなんと、和也さん(Ba.)のお母様が観に来ていたとの事。
遥々すぎませんか!すごい!!
しかし和也さんが対面するまでもなく、すぐに帰っちゃったとの事。

依与吏さん曰く、和也さんの両親はどちらも少し変わっているらしい。
(和也さんもそれについて否定はしなかった。)
"だからこその和也"だと依与吏さんに言われた時の、
スクリーンに映った和也さんの表情(何言ってんの…ぽい表情)が絶妙すぎて笑った。

寿さん(Dr.)は、「クラップ疲れたよね?」と、客席へ謎の万歳の煽りを要求。
内容は忘れたけど、ところどころ依与吏さんから鋭いツッコミを受ける度に、何も聞こえないフリをする寿さん。コントすぎて爆笑。

 

その寿さん煽りから『サマーワンダーランド』に続く。
夏を連想させられる情景が散りばめられたスクリーンがとても爽やかで、青春すら感じさせられた。

切なすぎる片想いを歌った最新シングル曲『黄色』、
そのc/wである応援歌『勝手にオリンピック』が連続で来るセトリが何だか好き。
勝手にオリンピックを披露する直前に依与吏さんの、
「ふざけた歌詞だけど大事にしてる曲」
の曲紹介が印象的だった。

勝手にオリンピックの最後で、ステージ前方に檻のようなものが降りてきて、
メンバーもはけて、ここで一旦休憩タイムへ。(※本編終了ではない)

中央スクリーンには180秒のカウントダウンが映し出される。
カウントが0になったら再開かな…と思わせたところで、
"003"のところで止まり、メンバー再登場。
曲はもちろん『003』。
歌っているときはまだ檻のようなものが全面にある状態。
(2017年のベストアルバムツアーでの1曲目『はなびら』でも似た演出だったの思い出した。)
メンバーは見づらいけど、それはそれで曲に合っててかっこよかった。
曲が終わり、檻が上にあがる。

そしてこの曲もみんな大好き『半透明人間』。
後半の"忘れられるはずがない"のフレーズの依与吏さんの激しめの叫び、
今までのライブでも見どころ(聴きどころ)ではあったけど、今回はますますグレードアップ?痛々しさが伝わってきて良かった。
もしかしたら今まで聴いた中で一番好きだったかも。

 

私にとって今回一番嬉しかった曲が、1stミニアルバム収録曲『sympathy』であることは前回の広島レポでも語りましたが、
前回気づいていなかった、いやもしくは赤い花火の前と同じく、前回とは違った展開だったのかもしれない、
始まる前の依与吏さんの弾き語りターン、
sympathyのアウトローのメロディラインを鼻歌で歌ってましたね…。
アウトローほんと好きすぎるので曲始まる前から胸が昂ってました。

この曲はやはり複雑な歌詞が魅力だと思ってて、
今回も終始シリアスな表情で歌って(演奏して)いたメンバーが印象的すぎました。
他の曲では決して見ることの出来なかった光景だった。
ありがとう令和のsympathy。円盤化待っています…。

sympathyはまさに、
"自分しか見えていない、自分の事で精一杯な主人公"の不安心を描いた歌詞と思っていて、
でもそれがback number初期曲の良さでもある。
それから10年近く経って発売された『瞬き』では、
"相手の幸せ"について考える様な優しさというか、心の余裕をしっかり持つことが出来ている主人公が目に浮かぶ。
どちらの曲もそれぞれの魅力はあるけど、その"変化"が胸熱すぎて、
sympathy→瞬きの流れ、好きすぎて泣いてしまいそうになった。

この曲でもラストサビで熱い叫びが聴けた。
最後の「いて欲しいんだ」は歌えなかった模様。

そういえば、広島の時はかなり伸び伸びと歌っていた印象があったけど、
今回はいつもに増して感情がバリバリ入ってたなぁと感じた。
しかも今回歌詞間違えや歌詞飛びも殆どなかったような(瞬き除いて)。
広島は飛びまくってて微笑ましかったです…(笑)。

 

昨日、依与吏さんは喉のケアをしていたがそれを途中でやめて、
大分の街を歩くことにしたらしい。

街を歩くと色々な人を見かけた事で、
"自分も普通の人間"である思った。
内心、心のどこかで、自分が特別な人間だと思っていたのが嫌になった。
だから、街を歩いたことが凄く良い経験になった。

そんな話をしていた。

依与吏さんが普通の人間として、ステージに立ったり音楽をやっていこうとしてくれるから、
あの素敵な歌詞が書けるんだと思う。

どんなに人気バンドになっても、そこは忘れずに、聴き手1人1人に寄り添ってくれるから、
それを私たちはちゃんと知ってるから、
ドームツアーも全てソールドしている実力があるんだから、
自信を持つべきところはもっと自信を持って良い、と私は思ってて。
逆に、特別な人間だから振り切ってやれるステージもあるわけで。

上手くいえないけど…人間らしいところも、スーパースターなところも、
どっちも依与吏さんじゃん!
私たちはそれが好きなんだよ!ってなった。

 

back numberを好きでいるファンは、もちろん全員ではないとは思うけど、
日常において、恋愛や人生がなかなか上手くいかない、切ない経験をしている中で、
彼らの曲に出会って好きになった人は一定数いると思っている。実際自分もそうだった。
依与吏さんもその自分のバンドの強みを知っているんだと思う。

「自分を100点満点だと思っていない、
器用に立ち回れないあなただから、
自分達(back number)を見つけてくれたんだと思う。
だから、あなたの人生の全てを肯定したい。」

そんな話からの『水平線』。
"挫折"を経験した全ての人々に優しく手を差し伸べてくれる曲。

耐える理由を探しながら
いくつも答えを抱えながら 悩んで
あなたは自分を知るでしょう

自分もまた、コロナ禍でもそれより前も、色々な葛藤があった。
毎日辛くて毎日泣いていた時もあって、
その時にback numberの曲をずっと聴いてて、
孤独心でどうしようもなくなりそうな時も、
曲を聴いている時だけは"1人じゃない"と思えて、少し心が安心した、救われてた。
水平線のフレーズと共に、そんな瞬間を一気に思い出して涙が出てきた。

当時より今は心穏やかに、楽しいと思える事もたくさん増えてきた。
だからこそ、back numberに出会えてよかったと思えたし、
こちらこそ、あなたの音楽の全てを肯定しています。

 

『スーパースターになったら』で本編終了。
ほんと今回は依与吏さんキレッキレで、いつも以上に熱量を感じた気がしたんだけど、
終わった後に燃え尽きてた姿が何だか可愛かったです。

 

アンコール1曲目は『僕の名前を』。
クリスマスソング以降のシングルA面曲では、実は一番のコア枠なのでは?
実は結構好きなんですよね。
"僕は君のものだ"のフレーズが何だか可愛い。
そして昔からの定番曲『日曜日』、
最後は安定の『そのドレスちょっと待った』で明るい終幕。

 

そんなわけで、私の今回のback numberのツアーはこれにて終了。
sympathy何度も聴きたいから増やしたかったけどな…。もうお金がない。
色んな時代の名曲を一気に堪能できた、とても濃い公演だったと思うし、
会いに行く度にback numberって曲良いな!メッセージも刺さるなぁ…って思わせてくれて、ますます好きになっていきました。

無事にツアー完走することを願っています!
本当に素敵な公演、ありがとうございました!
次の予定は未定ですが、近いうちにまた嬉しい発表がありますように…。