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【ライブレポート】The Cheserasera 2021 年末ワンマンツアー/Flowers Loft

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※配信アーカイブ期間中につき、ネタバレにご注意下さい。

 

2021年12月11日、The Cheseraseraの東名阪ツアーの下北沢公演に参戦した。

チケットを取った段階では活動休止は発表されておらず、
まさかこんな切ない気持ちで足を運ぶことになるとは思っていなかった。
それでも、メンバーの楽しそうに演奏する姿や、宍戸さん(Vo.)の言葉を聴いて、
休止は寂しいけど、"また逢える事を信じ続けていいんだ"って思えたし、
そんなファン想いで優しいところも含めて、ケセラが大好きだなぁって思えた、素敵なライブだった。

 

※ここからは全曲ネタバレします。
配信をこれから見られる方はご注意下さい。

 

オープニング、お馴染みのDoris Dayの『Que Sera, Sera』のBGMにてメンバー登場。
この登場シーンももうすぐ見れなくなるんだな…と思うとやっぱり寂しい。
そして代表曲『月と太陽の日々』、アップテンポな失恋ソング『最後の恋』…と出だしから熱い展開となった。

思えばケセラは失恋曲が多く、"別れ"を連想させられるフレーズが盛り沢山で、このタイミングで聴くとますます泣けてくるのオンパレードだった。

いつかは私あなたのこと
忘れちゃうかもしれない
でもいつまでも味方よ 愛してる
(月と太陽の日々)

 

このドアを開けたら
何も無いまっさらな朝日が
新しい僕らを照らすんだ
(最後の恋)

 

宍戸さん曰く、"来月1/9の追加公演と切り分ける為"に、今回は珍しい曲を沢山やるとの事だった。
(要は1/9はやはり定番曲多めかな。)
今までに無いレベルでのコア曲祭りでびっくりさせれた。
初めて聴いた曲も沢山で嬉しかった。

『LOVERS』→『LOVELESS』の流れがとにかくカッコよくて、
この部分のセトリ考えた人まじで天才だと思った(笑)。
LOVERS、リズムやイントロがどこか特徴的でライブ映えするなぁ。ますます好きになっ

 

『賛美歌』は切なくも熱くもある、ケセラの王道を感じる美しい曲。
そういえば去年のコロナ禍最初の配信ライブで、"晴れたなら"のフレーズで照明が明るくなった時、希望の光のような物を見れた気がしてわんわん泣いてた。
この曲を聴くとあの時の光景を想い出してやっぱり泣いてしまう。
ライブに行けず、傷ついた私達を癒してくれたケセラの音楽に心から感謝してる。

 

MCではやはり活動休止について語られた。

宍戸さん「ちょっと休んだら元気になりそうな気がして。
もっと本気でやれるかなって。
そういう意味での休止なんですよ。
昨日(Yokohama Bey Hallのイベント)も楽しくて楽しくて。
だから安心して欲しいし、聴いてて欲しい。」

宍戸さんもメンバーのみんなも本当に音楽が大好きで、このバンドが大好きで、
だからお休みするんだな…それがまっすぐに伝わった。
"安心して"
この言葉を聞けて嬉しかった。

その想いを肯定するかのように『透き通っていく』が披露される。
優しいメロディと包み込まれるような歌詞は反則すぎる…涙が溢れてきた。

同じアルバムからもう1曲『残像film』は青春の1ページのような曲。今日のこの瞬間もまた私の胸の中にある青春のノートにしっかり刻まれていく。

そして懐かしい曲『スタンドアローン』で再びアップテンポな流れに。
これもまたケセラの王道的な切なさを持つ曲『You Say No』。後半の西田さん(Ba.)のコーラスが合わさるところも美しい。
本来コロナ禍じゃなければ皆で合唱するはずだった『幻』。ケセラが復活した時にはまた皆で歌える状況になっていますように。

「バンドを辞めた友達と全ての青春に捧げます」の台詞を聞いた時、
「やっぱり…来ちゃうか…」と、実は少し複雑な気持ちになったのが、『Blues Driver』。
前回のレポで話したが、この曲をライブで聴くたびに、「ケセラは辞めないと安心できる」と思っていたから。
解散では無いにしても、どんな気持ちで聴けばいいんだろうって思っちゃって、正直今でも自分の気持ちを消化しきれない。
目の前の宍戸さんが笑顔で歌ってる場面もあって、それで少し救われたのもある。
だけど後に「思わず泣いてしまった」と語れていた。
断言はできないが、この曲のラストでは無いのかな…と見てて思った。

音よりも早いスピードで
寄り添っては離れて
声高く叫んだいびつな夜を思い出してる

このフレーズ、今は私達がケセラに向けて歌ってる…そんな気持ちになってしまうな。

 

ライブで聴いて好きになった『灰色の虹』がここで再び聴けて嬉しかった。
(アルバム『YES』はリアルタイムより少し遅れて聴いたのもありこの曲が最初だった)
あの時はとにかく"曲がカッコいい!"だけでしたが、冒頭での宍戸さんの、

「本当に大事なものを失った時、そこからが人生のスタートだと思う。」

の言葉を聞いて、初めて歌詞に着目して(遅い)、
歌詞の"七色の虹"ってそういう事か〜!!等と、いきなり胸が熱くなっていた。
とはいえやっぱり曲カッコよすぎよ…1番のサビ後の間奏ほんと痺れる…。
この流れで『FLOWER』の流れもエモすぎました。

 

後半戦もとにかく熱さ全開。
アルバム1曲目のアップテンポでありながらどこか切なさもある『ワンモアタイム』、大好きな曲なので聴けて嬉しかった。
『ラストシーン』は初めて聴けたので飛び上がった。

アルバム『幻』でダントツで好き、むしろケセラで10本指に余裕で入るぐらい、自分の中で大事な曲になっているのが『たわけ』。
活休前にどうしてもまた聴きたいって思ってたからほんと安心した…!

明日になっても
明後日になっても 懲りない
まだ夢を見てる
たわけなんだ

好きなようにやればいい。
誰に何を言われても、簡単では無くても、肩身は狭くても、諦めちゃだめ。貫け!
それを教えてくれた曲で、
そんな"たわけ"な自分の背中を押してくれた曲だった。
今日、この曲を歌う宍戸さん、今までで1番熱く、魂がこもってるように見えた。

少し前のMCでの宍戸さんのこの話ともマッチして、
胸が震えて涙が止まらなかった。

「もし自分に取り柄が無いと思っている人がいたら、
この音楽を見つけに、下北沢まで会いに来ようと思ってくれた、
その強い気持ちが取り柄だと思うし、
自信もっていい事だと思う。
何かを深く愛す事ってなかなかできる事じゃ無いから。

 

本編ラストはお決まりの、
「つかぬ事をお伺いしますが…クソみたいな恋愛をした事がありますか?」
の台詞から始まる、"(本人曰く)最低で最高のラブソング"、『I Hate Love Song』。
ここでも、"笑わせんなよ!"と叫べないのは寂しいけど、
宍戸さんの皮肉混じりのキレッキレなボーカル、西田さんの派手なベース捌き、美代さん(Dr.)のパワフルなドラムにより、会場のテンションは最高潮のまま、本編が終了した。

 

アンコール、再度メンバーが登場。
『Drape』が披露される。
この曲、来年1/9のラストに披露されると思っていたので、ここで来たのは少し意外だった。

このままさよならは言わないでおくよ
ただ寂しいから

もう既にこの心情になってしまっている。

 

そして「最後です!『さよなら光』という歌を歌います、またね!」と宍戸さんが叫び、
そのまま『さよなら光』の出だしを歌い出す。

実は今回のグッズ、宍戸さんがプロデュースをしたロンT、
バックプリントはこの曲をイメージしている事が先程語られていた。

宍戸さんはさよなら光について、
「初期すぎて知らない人もいるかと思いますが」と話す。

いや、ケセラファンは全員好きに決まってんじゃん〜〜〜!!!
と思わず叫び出しそうになった(笑)。
こんなにカッコよくて、だけど胸が締め付けられる程切なくて、どこか懐かしい…最高にエモい曲を知らないのは絶対に損です。今すぐ聴いてください。

www.youtube.com

そして私は自分の事をさよなら光大好き芸人だと思っている位この曲が大好きで、
(宍戸さんの弾き語り配信の時にやたらとこの曲をリクエストしていた民)、
Tシャツのデザインになったことも(もちろん買いました)、活休前にまたライブで聴けたことも嬉しくて嬉しくて泣きながら震えてた。

CD音源ももちろん好きだけど、大人になった宍戸さんが歌う色気のあるAメロ…ほんと痺れました。

 

そして終演…と思いきや、まさかのダブルアンコール。
宍戸さんが「帰る気なさすぎ」と思わずツッコミを入れるほど、会場全員、またメンバーが登場するのを全力で待っていた。本当に嬉しすぎる。

「これ終わったら寒い中帰ってくださいね」と客席を笑わせて、
本当の本当に最後の曲『SHORT HOPE』が披露された。
全員が残っている力を全てぶつけるような熱い場面に、相変わらず目頭が熱くなる。

最後のフレーズを歌い終わっても、宍戸さんは再度、このフレーズを叫んでいた。

この命が終わるまで

最高にロックで最高に楽しい、The Cheseraseraの公演がこれにて終幕した。

 

そういえば、1度目のアンコールの時に美代さんが、
「将来の事はどうなるかは分からない。それでも強くならなければ。」
と話していた。
未来が見えないのは決して活動休止をするバンドマンだけではない。私達も同じである。
そして美代さんの言葉に対し宍戸さんは、

「確かにそうだと思う。
だけど、
未来が分からないから何でも出来る。

と、しっかりした表情と言葉で伝えていた。
会えないのは1年間なのかどうかはまだ分からない。
だけど、また逢える日には…私たちファンも、今以上に日常を頑張って、
強く優しくなれたら素敵な事なんだなぁと思わされた。

 

活動休止前ラストライブ、1/9について。
実は先行抽選は落ちていた。私だけではなく、今回は沢山の人が落選されていたらしい。

そして一般発売はこの日、12/11の朝だった。
飛行機の中、動き出すギリギリまでスマホと戦って・・・取れました!会いに行けます!
(1分ちょっとでSOLDだったらしいですね。)

活動休止前のライブに立ち会えると分かって本当に安心しているし、
寂しいけど楽しみでもある。
だけどそう思えたのは、今日このライブを見たからだと思う。
もし今日のステージ、メンバーの言葉を聞いていなければ、気づけなかったことも多かっただろう。
前向きなメッセージと最高のステージ、本当にありがとうございました!