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映画「科捜研の女-劇場版-」レビュー

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毎回欠かさず見てる連続ドラマがついに映画化。
本当に長かった。(そもそも実は相棒より歴史が長い)

そんな大好きな作品「科捜研の女」の劇場版、早速見てきました!

※重要なネタバレは伏せているつもりですが、見てないと分からないことも沢山出てくるので、ご注意下さい。

率直な感想

全体的にドラマ版の科捜研の女らしい作品だった。
事件が発生し、科学捜査で解決していく…その流れは変わらないし、映画ならではのドカーン!といった超展開が起こったわけではない(と思う)。
"凄い展開"を見たい人にとっては、少々物足りなさを感じるかもしれない。
しかし、個人的には科捜研らしさや空気感に安心できた。

とはいえ、映画ならではの豪華さもしっかりあった。
まず、"登場人物"。元科捜研メンバーの相馬や、マリコの元夫の倉橋…他、様々な歴代の重要メンバーが活躍。
まさにこの22年の集大成のような作品になったのが、昔からのファンとしては嬉しすぎる。
ほんと、よくキャスト集めたなぁ…ってなってる。

そして、画がよかった!今回のポスターにもなっている紅葉。
とある重要なシーン、"日本で一番紅葉が綺麗に見える場所"との事で、とにかく美しい。
とはいえ映画だから海外…とかではなく、科捜研らしく"京都"の映像で攻めたのが何より好感持てる。

結論言うと、新規ファンが見ても楽しいけど、やっぱり"長年のファンだからこそ楽しめる"展開の方が圧倒的に多いと感じた。
初見で見ようとされている方は、簡単な総集編等でも良いので、ある程度予習した方が良いかな、と思います。

 

個性的な登場人物

科捜研の魅力といえばやっぱりこれ。
冒頭から主要メンバーそれぞれのシーンが垣間見得たのはよかったなぁ。
宇佐美さんの母との場面はほっこりさせられたし、亜美ちゃんが木場にナンパされてるのに見向きもしないのは笑った。

そして前述の通り、過去の登場人物も再出演。

わたくし、土門ガチのドコマリ厨で通ってるんですが(!?)、推しは相馬君だったので、
今回沢山登場して、しっかりマリコ達の事件に協力してたのほんと熱い。
出演当時は居なかった、蒲原さん、ロタ君ともしっかり仲良くなってるところが嬉しすぎる。
こうやって、また偶に出てきて欲しいなぁ…。

そんな相馬君はカナダ在住。
今回の事件が日本だけではなく、海外でも発生した事で、事件の共有をする。
Web会議にて亜美ちゃんがタブレットを顔の前に持ってきてて、亜美ちゃんの顔だけ相馬君になってるの、何気に好きだった。
この2人の掛け合いもまた見たい。

そしてマリコさんの元夫の倉橋さん。彼もまた渋々ながらマリコに協力をする。離婚してもいい関係だなぁと思った。
2人が再開した際、マリコが倉橋に「(当時離婚を選択したことは)あの時は私も若かったから…」と、まるで未練があるかのような意味深なセリフを吐いた時、
木の裏で土門さんがしっかりと聴いてたあのシーン…私含め全国民がニヤニヤしたに違いない。

その他、立場は変わっても心の奥底の信頼感は変わらなかった、元コンビ、土門・木島の絆が垣間見えたシーンはほっこりさせられたし、
過去に土門やマリコを救って警察を去った佐久間さんが再び2人に協力をしたのは嬉しかった。
そして、マリコと父のシーンは泣いた。
"家族としてではなく、研究者として"の意見を語り、事件に協力する事を選んだ父。中盤からほぼ主要人物として、科捜研に関わったところ、良かった!

話せばキリがないのでここまでにしますが…今までの登場人物が自分らしい方法で捜査に協力していく姿を見るだけでもワクワクさせられた。

加賀野教授と科学研究

やはり今回の醍醐味といえば、佐々木蔵之介さん演じる加賀野教授と、彼が研究する"ダイエット菌"。
私もそろそろ痩せなきゃいけない身だけど、ダイエット菌って聞いただけで胡散臭くてうわぁってなるし(とはいえ現実に普通にあるみたいですね)、
被験者の双子の1人が、数ヶ月接種し続けただけでビックリするぐらい痩せてる姿を見て、ますますうわぁってなる。全てが不気味。
人間そんな簡単に痩せるわけがない。健康的な食事、適度な運動、十分な睡眠!これに尽きるわけです!(←30数年自由に生きてるといきなり悟りを開く典型的な例)

その「ダイエット菌」を発見し、研究をし続けているカリスマ科学者、加賀野教授。
才能はあるがどこか不気味。あの存在感と狂気を演じれるのは、もはや蔵之介さんしか居ないなぁと思った。
20年以上の歴史を積んだ科捜研オールスターズに飲み込まれてないあたりがほんと凄い。

そんな加賀野を相手に苦戦するマリコだが、
彼女が身体を張って事件の真相を暴くシーンは、大丈夫だとわかっていてもヒヤヒヤさせられた。
特に今回はウイルスとか薬とか副反応とか…そういうものが関わっているから、本当に怖かった。
予告で出てたあれです。
事件の真相が1つ1つ暴かれていくごとに、「あ…もしかしてマリコさんのあのシーンって…やるのか…」と、怖くなりました。。

今作の結末については詳しく語れないが、
私から見たら、被害者は全員誠意があったし、加害者側の人間には誰1人として同情できなかった、そんな王道な結末だったと思う。
確かに犯人の結末、少し気の毒だとは思ったし、
科学とは歴史があって成り立っているもの。確かにそれはわかる。

それでも、
"未来のために今を犠牲にするよりも、今の方が大事"
自分が常日頃感じている思いが、劇中で語られていた。それに本当に救われた。

総評

やはりファンとしては、安心して見られた作品だった。
技術の進歩に伴い、科学捜査の方法や、事件はだいぶ近代化していっているが、根本的な空気感は変わらないのが、長年愛され続けている証拠だと思う。
また一層好きになったし、私も初期から見ていたわけではないので、機会があればシーズン1から見返したいなって思った。

映画公開中の為、今年はどうなるか分からないが、
連続ドラマのシーズン21以降も、楽しみながら見続けたいと思います!