2021年8月21日、ミュージックステーションのスペシャルが放送された。
この日、UVERworldは愛笑む、山田孝之とのコラボ曲「来鳥江」を初披露する予定だった。
私はそれを楽しみにし、いつ来るかな…?と、
テレビの音声を聴きながら、ご飯の準備をしていたところだった。
そして事件は起きた。
アナウンサー「UVERworldの皆さんが、急遽もう1曲披露していただく事になりました。」
私「はい???!!!」
フライパンで牛ホルモンと野菜を焼いていた私は、
動揺しながら慌ててIHのスイッチをOFFにし、テレビの前に走る。
どうやら、ORANGE RANGEのメンバーが体調不良のため、出演キャンセルになった兼ね合いで、
代打として、UVERworldがステージに立つ流れとなったらしい。
選んだ曲は「EN」。
EN…だと…!?
いやどうした落ち着けよMステ(←お前が落ち着け)
最近発売された新曲「NAMELY」を披露するのが自然な流れと思うんだが、
コロナ禍で制作され、まだライブでしか歌われていない、発売予定も決まっていない「EN」が来るなんて。
ENといえば、UVERに詳しくない人が聴くと胸焼けがするのではと思う程の、放送ギリギリの濃すぎるメッセージソングにも思える。
5月にフェスで披露された際も、「フェスで歌うんだ!」と少し驚いた記憶がある。
まさか地上波で歌うなんて。
何を考えているんだ。だけど、そんなところが本当に大好きです。
(※後に分かった事だが、代打は番組側からのオファーらしい。選曲がどうだったかは不明。)
TAKUYAが
「今、一番大切にしている曲なので、この機会を頂いたので、是非やらせて頂こうと思います。」
と話し、曲が始まる。
AメロではTAKUYAの強いメッセージが炸裂。
今日もどこかで飢えて死んでいく子供達を
平気でシカトしてる神様が
俺達の夢に興味持つ訳ねぇだろ
願う以上に自分で変えろ!
リツイートすれば大金をばらまくと言われようが
俺は断る
愛を粗末にする奴は 何に勝ったって一生負け組
お前の人生は お前の為のもの
サビでは信人、彰、克哉、誠果、真太郎が合唱。
そしてラスト、再びTAKUYAは叫ぶ。
お前を傷つけた全ての死んでほしい奴に 寿命で勝て!
見つけろ!お前にとっての「全て」!
今のこの状況が、どんなに理不尽だろうが、文句を言うのは簡単である。
その中で何をするか、何を選ぶのか…正しいやり方で、"自分たち"で決めていきたい。
UVERworldはここのところ、ライブでそんな話をしてきた。
「EN」はその想いを歌にした、コロナ禍におけるアンサーソングではないかなと思う。
数々の強烈なフレーズ。
最初に聴いた時は鳥肌ものだったのを覚えている。
それを今回、"テレビ"で改めて聴いたことでの破壊力はすごかった。
だが、不思議と救われた気持ちになった。
ここのところ、常に入ってくる情報は、
「誰が何をどうしたからこうなった」
から始まる、誰を悪者にするか、そんな誘導ばかり。全く興味がない。
テレビ、ネット…ましてや仕事でも、
「あなたはどうすべきか」「自分で選べ」
こんな事を伝えてくれる人はいなかった。
自分自身の事を一生懸命考えるきっかけになれるのは、
やっぱりいつもライブだった。
正直、伝わらない人には伝われないと思う。
"綺麗事じゃん"、"説教かよ"…そう思う人だって一定数いる。
だからこそ、今回ENを地上波でやると聴いた瞬間、少しヒヤヒヤしたのも事実。
それでも、初めてENを聴いて、心から救われた人だってきっといるだろう。
明日からを生きるヒントになった、そんな人もいるだろう。
私はそっちの方を信じていたいし、だからこそ、今回、披露されてよかったと思う。
ORANGE RANGEが出れなかったのは残念だし、
HIROKIさんは1日も早く良くなって欲しいなと思います。
それでも今回貴重な機会を与えてくれて、Mステには感謝しかないです。
心から、ありがとうございます。
それにしても、今回披露された「EN」、
いつものライブで聴くよりは少々大人しさを感じる。
まぁ、そもそもライブとテレビでは見え方が違うかもしれないわけで。
でも、TAKUYA、MCも含めて"テレビ向け"、"よそ行き"感はあった笑。
(あからさまに緊張してて可愛い…笑)
…なんてふざけて言ってはみたが、
そうなってしまうのは、TAKUYAは"わきまえている"人間だからだと思う。
実は、大人の前では礼儀正しい人間である。
思えば2010〜2016年あたり、UVERworldはMステに1度も出演していない。
"空白の7年間"があった。
それについては、UVERはテレビよりライブ活動を優先したいから…だったのだが、
悲しい事に、一部では"TAKUYAの態度が悪くて番組から嫌われていた"
いうデマも流れていた。
確かに彼は少々誤解されやすいところもある。
だから一般的に少々伝わりにくいとは思う。
だが、彼はテレビやインタビューの前では、声を何トーンも落として、ファンである自分が「静かだな…」って思う程に、穏やかな喋りである。
本当は少し不器用で、真っ直ぐで、優しい人間だと思う。
だって、あんな歌詞を書く人なんだから。わかるんだよ。
この日の彼を見て、きっと、その誤解は解けた事に違いはない…と、やっと安心できた。
いきなりのENの披露によりしばらく落ち着かなかったが、
当初の本命「来鳥江」が来てやっと我に帰れました笑。
UVERworldがかっこいいのは勿論、
愛笑むはさすがだなと思った。
ライブ慣れしてるからか、テレビで緊張してる様子はなく、伸び伸びと自分らしいパフォーマンスをしていた。
そういえばMステでTAKUYAが「愛笑む」って言ったのが、
相変わらず「あいみょん」に聞こえる。
去年のマリンメッセでのTAKUYAのMCを盛大に思い出してつい笑ってしまった↓
「(最初に愛笑むがゲストに出た公演の登場前)俺が「愛笑む」って言ったら「あいみょん」に聞こえたらしく、前方の女の子達が「えっあいみょん!?」みたいな反応してて、
そこからの愛笑む登場で「おっさんが出てきた!!!」みたいな反応してて笑」
そして、TAKUYA、愛笑むというチンピラゴリゴリ系の中での山田孝之。
唯一治安が良くて美しい歌声と爽やかなお顔立ち。凄くバランスの良い3人だなぁと思う。
来鳥江はUVERだけではできなかったポップさ、お祭り感が魅力的で、
それはきっと、愛笑むと山田孝之のお陰で成り立ってるものだなって思う。
華やかかつロックステージ、ワクワクする音楽。本当に最高だった!
2021年8月20日、
いきなりのENに本気で胸が熱くなったこと、
最高に男らしい8人の楽しさを彩る来鳥江。
私にとって、ミュージックステーション伝説の回として刻まれました。