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お気に入りソング15選 - back number

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お気に入りソング15選 -back number

back numberの好きな15曲の語り場です。推したい曲多すぎて10曲では収まりませんでした…。
ランキングではなく、発売時系列。好きな歌詞のフレーズも引用。
他アーティストよりもだいぶ長く重いレビューなりました。back numberなので許してください。

《最終更新日:2021/07/15 / 偶に更新》

 

1.『sympathy』

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(2009/02/18 ミニアルバム「逃した魚」収録)

例えば今日君が
丸い地球の裏にいたって
隣にいたって
心が見えないのは同じじゃないか

爽やかで美しいメロディと、ギターの音が心地良い。
依与吏さん曰く、"彼女に振られた時に作った曲を、友人の結婚式の為に書き直して完成させた"楽曲との事。
だからだろうか、(アルバム唯一の)リア充曲なのに、どこか無理している様に思える。
"この主人公はきっと振られるだろうな"…って思っちゃう。もちろんその新郎新婦さんとはまったく関係なく。
…勝手に闇深くしてるけど、このアンバランスさが楽曲の魅力と思っている。


2.『KNOCK』

<<動画無し>> 

(2009/02/18 ミニアルバム「逃した魚」収録)

泣きたいのに泣けないのは
たぶん誰のせいでもなくて
弱い僕と 弱い君が
精一杯想ってるだけ

ミニアルバム「逃した魚」では、(「西藤公園」を除いて)色々な形の"失恋"を描いているが、
この曲は恐らく、恋人同士の"別れを予期する"時期を歌ったものだろう。恋愛で一番辛い時期であると個人的に思っている。これを"青い○ナズマ曲"と勝手に呼んでいる。
今の状況に不安を感じた結果、彼女に当てたポエムみたいな歌詞になっている。痛い。だけど恋って、どうしようもなく痛いものだよ。
ディスってるわけはない。むしろ、現時点でback numberで2番目に好きな曲です。
リアリティあふれるし、これこそロックでだと思う。夜が似合う曲調も最高にカッコいい。
ちなみにこの曲は依与吏さんの実体験であり、"デモテープを元カノの車に置いてきた"いうやばいエピソードがある。これこそロックでry

 

3.『stay with me』

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(2010/06/02 ミニアルバム「あとのまつり」収録)

曇りひとつ無い想いに祈りを
すべての報われない想いに光を

back numberの得意技(?)、"片想い失恋曲"というテーマにおいて、原点になっている曲。
好きな男性には好きな子がいる。その人もまた、報われない恋をしている…、そんな、女性視点の切ない片想いソング。
状況を直接説明するのではなく、2番Aメロにて、好きな人が呟いた言葉で聴き手が理解する。その歌詞の構成と表現が絶妙。依与吏さんは状況の描き方が天才的。
"好きな人が幸せが幸せ"、"だけど辛い"…「本音と矛盾」で苦しむ主人公が切なすぎて泣いてしまう。
恐らく今後変わることのない、一番好きな曲。個人的な思い入れも大きい。
だけど、時を経て印象が少し変わったのが、
今までは"不器用で優しい子"だと思ってたけど、今は"優しいけど良い子ちゃんという楽な選択をしている子"とも感じてしまう。昔の自分を見ているようだ。
きっと、"この曲から抜け出すこと"が幸せなのかもしれないし、同時に、"全ての報われない想いに光を"…を、他者に向けて、心から願えることが出来れば、本当の意味で報われるのかもしれない。


4.『風の強い日』

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(2010/06/02 ミニアルバム「あとのまつり」収録)

足りなかったのはそう
不安を吹き飛ばす程の
僕の優しさが強さか あなたへの想いか
それとも弱さを見せられる勇気かな

切なく優しい失恋バラード。"ケーキ屋"とあるが、実際はシフォンケーキが美味しい漬物屋さん。
20代後半に失恋ツアー()で聖地巡りして、群馬のそのお店に行ったのですが、
お店の老夫婦さん、凄く優しく接してくれて。
私の事情を何も知らないはずなのに、「群馬は優男が多いから、群馬に嫁に来なよ」と言われた事を思い出すたびに、今でも目頭が熱くなる。
この曲は"辛い"とばかり言っている。過去への後悔ばかり歌っている。
前を向こう的なことは言わない。そんな"救われない"曲だからしっかり心に刺さる。


5.『こぼれ落ちて』

<<動画無し>>

(2011/04/06 シングル「はなびら」収録)

いつだって泣いてわめいたって
何も変わらないから
仕方なく僕はまた変わってしまう

"いつだって泣いてわめいたって何も変わらないから"が、いつしか自分の人生のテーマになっていた。
当時には比較的珍しい"Not恋愛ソング"だが、この重さや神経質さは、痛々しい失恋ソングとマッチしている気もする。
昔みたいに自由が効かなくなった、大人としてのわだかまりを嘆いた曲。
この曲には"諦め"の感情が多く見える。しかし、最近の"Not恋愛ソング"では少し変化していってる…というのはまた、後の話にて。
歌詞も好みだけど、どこか歌謡曲っぽいメロディが好みすぎて。この曲しか聴いてない時期があったぐらい、中毒になっていました。


6.『あやしいひかり』

<<動画無し>>

(2011/10/26 アルバム「スーパースター」収録)

その絵の片隅 笑って見せてよ

タイトルを見て、ポケ○ンを思い出した人は素直に挙手を願います。
圧倒的に知名度が低そう。歌謡曲ロック好きは聴かないと勿体ないぐらいに曲が良い。
暗めだけど熱さもあり、依与吏さんのボーカルで更に雰囲気が出てる。
恋愛というのは、出会った時の温度感でずっと進むことはできない、だから難しい。
一見、どこか覚めた様な主人公の心境が印象的。
だけど、実際は熱い気持ちを秘めていて、"わかりあう"事を諦めていない。暗めに見えて、実は前向きな曲なのかもしれない。


7.『信者よ盲目であれ』

<<動画無し>>

(2012/03/07 シングル「恋」収録)

もう少しだけ待っていればきっと
優しい誰かが肩を叩いて言ってくれる
頭抱えて待っているのは
もう答えなんかじゃなく
「仕方ないよ」の言葉だろう

タイトルを見てドキッとした曲。しかし残念ながら、タイトルと意味が未だにわからない。
"信者"というよりも、"バンドとして"の曲なのでは、と思う。
明るい曲調ではあるが、神経質な主人公の内面が分かりやすく描かれている。
大きなものに挑戦するときは、不安に押しつぶされそうになる。だがそれを受け入れ、"自分らしく"という決意の曲に見受けられる。
現実的かつ前向きなメッセージに、私も励まされ、背中を押されている。


8.『わたがし』

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(2012/07/18 シングル「わたがし」収録)

もう君の気を引ける話題なんて
とっくに底をついて
残されてる言葉はもう
わかってるけど

"わたがしになりたい"…というフレーズからも伺えるように、この頃から依与吏さんの作詞は伸び伸びと柔らかくなったと思うし、表現のレパートリーが上がっている。
片想い相手をデートに誘えたというのは、まさに大イベント。その中での葛藤がコミカルに、だけど切なく描かれている。
"好きになりすぎて、苦しくて、告白をしてしまいそうになる"…そんなラストサビ前の、切羽詰まったフレーズで一気に盛り上がり、
ラストサビに突入して、聴き手に「え、どうなったの?!」とテンションを上げさせる。
ラストは出だしと同じワードで締め括る。そこで、残念ながら告白できなかった事を認識する。
back numberの楽曲、恋愛のあらゆる状況を直接的な言葉で伝えずに、登場人物のやりとりだけで、聴き手が正確にイメージできる。
わたがしは、そういうback numberの魅力が本当に濃く描かれている。1曲を通じて映画みたいだ。
残念ながらMステ初登場曲は、次のシングル「青い春」だった。惜しい。いつかわたがしのフルVer.をお茶の間が聴いて欲しい。
MVも素敵。山本美月ちゃん可愛すぎて鼻血出そう。


9.『反省線急行自宅行き』

<<動画無し>>

(2012/11/07 シングル「青い春」収録)

なんとなく分かってんだ
返ってくる言葉もそのわけも
知らぬフリして抱きしめる
予定は晴天延期です

c/wにしてまさかの「わたがし公式続編」、そして「わたがしバッドエンド」ソング。
好きな人に好きと言えずに後悔しながら一人走って帰るだけの曲。辛い。辛いのに曲はかっこいい。
失恋を予期することを"なんとなく分かってんだ 返ってくる言葉もそのわけも"と、直接的ではないフレーズで視聴者に伝えるback numberはやっぱり天才。
まだチャンスはあったのに勿体無いよなぁ…なんて思っちゃうけど、自分も同じ経験をしてやっぱり最後は振られたので、偉そうなことは言えん。


10.『fish』

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(2014/02/05 シングル「fish」収録)

あの子みたいに笑えれば
あの子みたいに泣けたなら
甘え上手になれてたら
今もそばにいられたの?

美しいメロディと、この時期のシングルでは珍しく、飾ってないシンプルなバンドサウンド。それもそのはず、自主制作時代からの曲をここでリリースしたのだから。
女性視点の失恋ソング。別れを告げられに自分から相手のところへ向かうという、残酷で意味拷問でしかない曲。
"あの子みたいに〜"のフレーズがトラウマになっている女性は私だけではないだろう。今度酒飲みながら語ろう。
主人公に感情移入しすぎるが故に、相手の男許すまじ。
自主制作時代の原曲はなんと男性視点。サウンドもボーカルも青々しくて大好きなんだけど…どうしても歌詞に共感できず。
やっぱり現代のfishが好きです。辛くて聴くに耐えない時もあるけど。

 

11.『遠吠え』

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(2014/03/19 シングル「繋いだ手から」収録)

自分を認める強さを
君を忘れる強さを

back number1、2を争うダークホースと思っている(相方は「ミスターパーフェクト」あたり)。
暗い、暗すぎる…と思えば、歌詞は"簡単に叶いもしない欲望"をひたすら念じている。痛い、痛すぎる。(※褒めてます)
しかし、主人公が言い放つ、"高層マンションに住みたい"、"美人な彼女に帰りを待っていて欲しい"、"お金が欲しい"、"強さが欲しい"…それらは自分の根本的な本音では無かった。
最後の最後で"君を忘れる強さを"と言う。本当はそれだけだった。
どんなに優雅で、不自由のない環境を手に入れても、本当に一緒に居たい人がそばに居てくれないとなんの意味もない。そういう事と思ったら、本当に切ない。


12.『君はいらないだろうな』

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(2015/05/27 シングル「SISTER」収録)

あげられるものを探してみるけど
君は きっと君はいらないだろう

弾き語り曲。これをライブでやる時、どんな感じなんだろうか。是非次のpartyで。
失恋を引きずったままではダメだ、次に進まなきゃ…と独り言の様に念じている歌詞。
しかし、そう言い聞かせればするほど、本音は真逆に捉えられてしまう。全然吹っ切れてない。それがback numberの歌詞の絶妙なところ。
現実の恋愛もまさにそう。時間や人が解決してくれるまでは苦しむしかない…。悲しいけど。


13.『ARTIST』

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(2017/12/20 シングル「瞬き」収録)

イビツな形だから光ったはずなのに
人と違うから作れたはずなのに

MV、ミラーボール回ってるし、ギラギラしてるし…あまりの煌びやかさに最初ドン引きしました(笑)(今は大好きです)。
人気が出て周りから期待されていく事を、ポジティブに歌ってる曲…じゃありません。かなり皮肉めいた歌詞です。
人の注目を浴びると、勝手な事を言われたり、期待に押しつぶされそうになったり…理想とは異なる方向に進んでいくもので、そのモヤモヤをぶつけている、葛藤の曲に思える。
この頃ぐらいから、#世間を皮肉った尖った曲#をc/wに入れるようになったと思う。
恋愛の曲も勿論大好きだけど、最近のback numberのこの方向性が気に入ってる。今後にも期待。
カラオケで歌うの楽しいんだけど…私の中の和也さんがあまり仕事してくれません()。


14.『Jaguar』

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(2018/12/19 シングル「オールドファッション」収録)

溺れながら 奥へと沈みながら
夢を見てる 価値の無い浅い夢を

直近のpartyレポでも話したように、最近のback numberで一番好きな曲。
好きな女性に翻弄され、振り回される主人公の妄想物語。実に依与吏さんらしいが、曲に色気が加わり、アレンジも豪華で、今だから表現できる新鮮な片想いソングとなっている。
激しい曲調の中にどこか昭和っぽいメロディ。ラストはまさかのフェードアウト。80〜90年代感があって、そこも含めて好みど真ん中。
ライブバージョンはアウトローが少し変わったり、ますます激しかったり、かなりライブ映えするので、みなさん是非FCに入りましょう。


15.『エキシビジョンデスマッチ』

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(2019/02/27 シングル「HAPPY BIRTHDAY」収録)

誰も理解出来ない筋道で良い
戦う相手を間違えないでよ

尖ったサウンドにあえて入るストリングスが、絶妙にマッチしている。
個人的に "こぼれ落ちて"のアンサーソング。当時、周りの大人を気にして戦えなかった主人公が、今度は周りなんてどうでも良いから自分のために戦う…そんな選択をできるようになったのかもしれない。
こぼれ落ちても然り、ARTISTにも関連しているように感じる。これもback numberの新居地。
"自分の価値は自分で決める"、そんなメッセージが込められていて、モヤモヤを抱える現代人はきっと刺さるし、励ましてくれる、前向きな曲と思う。